STEVEN ELLISON
FLYING LOTUS
FLYING LOTUS/LOS ANGELES(WARP LP 165)
イギリスのシェフィールでRob MitchellとSteve Beckettによって'89年に設立された"Warp Records"は、デトロイト・テクノと同じようにボクにとっては、現在のnu jazz、Finn Jazzのフィールドに立つまでの、クラブミュージックの流れを形成したその起源となるものだった。
'90年のSWEET EXORCIST、NIGHTMARES ON WAX、LFO、TRICKY DISCOなどのブリープテクノのヒプノティックなグルーヴ、そして'92年の"The Evolution Of The Groove"、94年の"Artificial Intelligence"にみられたB12、THE BLACK DOGなどでのインテリジェンス・テクノの未来派テクノと、APHEX TWIN、AUTECHREなどのポストロックともいえるアヴァンポップな音響系は、まだ微かに未来への希望がみえていた90年代初頭から中
期を象徴するクラブミュージックだった。レイヴカルチャーに嫌気をさしてクラブM2を'92年に閉鎖し、次なるステップとなるボクが湊町に立ち上げたclub"cafe Blue"では、そうしたクラブミュージックがメイン・チューンで、小数のスノッブなクラウドが集っていたが、おそらく当時ニッポン広しといえどブリープやインテリジェンス・テクノなどがかかっていたクラブは、cafe Blueだけだったろう。(ワープレーベルは、"ジャズ的なるもの"からクラ
ブ・ミュージックへの回顧"BRICOLAG
E"で近々紹介します)。しかしこのWarpへの興味を徐々に失い、96年のJake Slazengar ”Groovybeat,Ja"が発売された頃を最後に、あとはJimi Tenorの作品をチェックするくらいで、ニッポンのソニーが配給権を持ち日本盤が発売されるようになった頃にはボクのなかからは完全にワープ・レーベルへの関心が消えてしまっていた(海外の輸入盤の流通システムがここまで確立された時代になにを考えているのだろうかと、評論家NTのバカさかげんに呆れたのを覚えている)。最近のWarpレーベルは、音響系を主軸にしたポストロックともいえるモダンポップ・ミュージックを展開しているが、こうしたものは実は90年代中期のオウテカやドラムンベースで既に終わったグルーヴ/サウンドなのだ。3年前にブラック・ドッグ・プロダクションから発刊されたRob Youngの"Warp Labels Unlimited"をパラパラめくってみていると、やはりWarpレーベルは、90年代中期からクラブミュージックというよりも、ポストロックとしてのコンセプトが強まったことが分かる。アサーテン・レシオ、クロックDVA、キャバレー・ヴォルテールなどのインダストリアルな80年代シェフィールド・サウンドは、現在このワープ・レーベルによって継承されているといってもいいだろう。さて久しぶりにワープ・レーベルでのこのFlying Lotusを買ったのは、Flying LotusことSteven Ellisonは、John ColtraneとAlice Coltraneを叔父と叔母に持つ甥としても知られ、マッドリブのお気に入りのアーティストでもあるからだ。このロサンジェルス在住のヒップホップ・プロデューサーでもあるスティーヴンは、80年代にはクラフトワーク、Afrika Bambaata’s “Planet Rock,”、Cybotron’s “Clear”などのアルバムを聴き、90年代にはテクノハウス、ドラムンベースに影響され、ロボティックとフューチャリスティックなヒップホップの方程式を持つ新たなファンクを構築することを、その音楽の目標としている。IDMエレクトロニカ、ジャズ・フュージョン、ブームバップ時代のヒップホップなどが融合されたフライング・ロータスは、エイフェックス・ツインやオウテカが進化したYesterdays New QuintetやMadlibの流れにあるものだとボクはとらえている。これこそが21世紀にエレクトロニック、FunkとSoul、Hiphopの選ぶべき道かも知れない。しかしこのFlying Lotusは予想以上にイケてる。このアルバム以前にリリースされたEP"Reset"をボクは聴いていないが、彼の関わったものに、KelisやMr.Oisoのミックス盤、AmmoncontactのCarlos Ninoのコンパイル"The Sound Of L.A. Volume 2 "などがリリースされているらしい。youtubeでの過去の彼の作品を聴いた限りでは、この"Los Angeles"は、よりエレクトロニック・ジャンクよりのグルーヴへと変容している。我々の感覚や耳もフライング・ロータスの奇形音楽のように、ここまでブリコラージュされ歪曲されたものにしか、素直に感じなくなってしまっているのかも。
FLYING LOTUS オフィシャルサイト
http://www.flying-lotus.com/destroy/
FLYING LOTUS
http://www.flying-lotus.com/losangeles/
MySpace.com - Flying Lotus
http://www.myspace.com/flyinglotus
Flying Lotus - Riot
http://jp.youtube.com/watch?v=yXULecvImpw&feature=related
Flying Lotus- Los Angeles
http://jp.youtube.com/watch?v=CadMEehyd9g&feature=related
FLYING LOTUS
http://jp.youtube.com/results?search_query=FLYING+LOTUS&search_type=&aq=f
FLYING LOTUS/LOS ANGELES(WARP LP 165)
A1.Brainfeeder Something/Stellar Star A2.Breathe A3.Beginners Faiafel A4.Camel, A5.Melt!
B1.Comet Course B2.Orbit B3.Golden Diva B4.Riot
C1.GNG BNG C2.Parisian Goldfish C3.Sleepy Dinosaur C4.Roberta Flack(feat.Dolly)
D1.Sex Slave Ship D2.Auntle's Harp D3.Testament8feat.Conja Sufi) D4.Auntie's Lock/Infinitum(feat.Laura Darlington)
produced and engineered by Flying Lotus(Just Isn't Music)
except for:08.Golden Diva8add,production by Matthew Davis) 10.GNG BNG (co produced by The Gaslamp Killer) 13.Roberta Flack (add,production by Samiyam and Byron the Aquarius) 14.Sex Slaveship(add,production by Matthew David)
mastered by Daddy Kev D/AD:Build
p:Timothy Saccenti
sculpture:Commonwealth
WARP RECORDS 2008
ROB YOUNG
WARP LABELS UNLIMITED
Black Dog Prublishing
texts by Rob Young and Adrian Shaughnessy
edited by Catherine Grant
picture research and Warp Artists A-Z research by Georgie Gerrish
designed by marit@graphic-shapes,co.uk
BLACK DOG PUBLISHING 2005
情報過多の音楽情報に迷わないためには、なにごともその始まりを押さえておけば、すべてを見通せる。可能ならば後追いではなくリアルタイムに旬の音楽を体験することだ。いまではFinn Jazzやnu cool jazz、そしてYNQやこのフライング・ロータスのabstract jazzy hiphopと呼ばれる情報かな。
コメント (1)
FLYING LOTUS Los angeles
めちゃめちゃかっちょええすねーーー!!!
すいません!! それだけです!
阿木さん!! 18日のHIT SPECIAL盛り上げていきますのでよろしくお願いします!!
投稿者: 村上 晶一 | 2008年07月02日 17:39
日時: 2008年07月02日 17:39