Spiritual Jazz /Strata East/THE JOHN BETSCH SOCIETY
アフター・コルトレーン そしてスピリチュアル・ジャズにおける新たなハード・バップの再解釈
去年12/1のクラブイヴェント「Hit The Spot」でJazzman Geraldと話したとき、2008年のイギリスでのクラブシーンはスピリチュアル・ジャズが再燃しそうだと言ってた。彼のレーベルJAZZMANからも「Spiritual Jazz: Modal & Esoteric Jazz from the Underground 1968 – 1977」というアフター・コルトレーンというべきスピリチュアル・ジャズが12曲コンパイルされたアルバムが近々発売される。ボクにとってBLACK JAZZ、TRIBE、Strata-Eastレーベルにみられるスピリチュアル・ジャズは、Doug Carn、Osunlade、クリス・ボーデンなどの音楽を聴いていた90年代後半のイギリスのソウルジャズ・レーベルを通じて知ったのだが、もともとこうしたジャズの発生は71年のブラック・ジャズ・レーベル、ストラタ・イースト(トランペッター、チャールズ・トリヴァーと知性派ピアニストのスタンリー・カウエルが立ち上げたレーベル)での、音楽的にはジョン・コルトレーンから受け継いだスピリチュアルな精神性と60年代後半におけるハード・バップの再解釈などが最も大きな要因のひとつだが、当時としては黒人たちの政治的/社会的背景からの、ミュージシャン主導の真の黒人の自立(Strata)をめざしたレーベルだった意味も大きい。考えれば当時のブルーノートだって白人(ドイツ人)によってコントロールされた黒人のミュージシャンによる白人のためのジャズだったんだからね。
THE JOHN BETSCH SOCIETY/EARTH BLOSSOM(SES-19748)
この「Earth blossom」は現在フランスへ移住し活動中のドラマーJohn Betschによる74年のテネシー州ナッシュビルで録音された唯一のリーダー作で、5名からなるパーカッションによるポリリズミック・グルーヴが全編を支配している。 「Ode to Ethiopia」でのポリリズミック・グルーヴの上を、フルート、ピアノ、サックスがワルツのロマンチックなメロディを奏でる。こうしたスピリチュアルものも精神の高揚を呼び覚まし云々とか、強い社会へのメッセージ性がこめられたものとか"フリージャズ"なんてダサフルイ概念でとらえないで、なによりもハード・バップの再解釈としての21世紀のクラブジャズ、ダンスミュージック、nu jazzの流れにあるものとしてとらえて当然だろうと思っている。
Side A:1.Ode To Ethiopia 2.Earth Blossom 3.Open Pastures 4.Song For An Untitled Lady
Side B:1.Ra 2.Darling Doria 3.Get Up And Go
Billy Puett,flute/alto flute/alto and tenor sax/bass clarinet
Bob Holmes,piano/electric piano/percussion
Ed "Lump" Williams,electric bass/acoustic bass/percussion
Jim Bridge,guitar/percussion
John Betsch,drums/percussion
recorded january 11,1974 at Glaser Productions.inc, Nashville Lehning
THE JOHN BETSCH SOCIETY/EARTH BLOSSOM(HS006VL)
70年代NYCロフトジャズ/スピリチュアルジャズの拠点となったレーベルStrata Eastに残されたレア音源The John Betsch Society「Earth Blossom」からの7inchシングルカット。これはHeavenry Sweetnessからリリースされている。サイドA「Earth Blossom」にはCarlos Nino率いるBuild An Ark and Najite & The Agindotan Family BandのRemixが収録され、サイドB「Ode To Ethiopia」はアルバムからのシングルカット。今後も、こうしたスピリチュアル・ジャズの記号はイギリスやフランスのクラブシーンをベースにリイシューされ続けるだろう。
www.myspace.com/heavenlyssweetness