Recomposed by CARL CRAIG & MORITZ VON OSWALD -music by Maurice Ravel & Modest mussorgsky
ポストモダン以後の21世紀音楽
CARL CRAIG & MORITZ VON OSWALD -music by Maurice Ravel & Modest mussorgsky
AUTEUR JAZZ / TWO JAGUARS IN WARSAW
80年代以後のポストモダン消費論での脱合理主義、脱構造化、シミュラークルの優越化という価値観に添って考えるなら、我々が音楽、CDやレコード購入の際にとる態度は、感覚的にどれだけ21世紀音楽としての要素をその音楽が内包しているか、ということに尽きるだろう。スタイルなどはどうでもよろしい。ポストモダン以後の21世紀の時代感覚をいかにトリートメントしリアルに再現しているかということだ。
Recomposed by CARL CRAIG & MORITZ VON OSWALD -music by Maurice Ravel & Modest mussorgsky (Universal / Deutsche Grammophon 476 691 3)
モーリッツ・フォン・オズワルド とカール・クレイグがラヴェルとムソルグスキーの曲を再構築した"Recomposed by Carl Craig & Moritz Von Oswald"での音楽を聴いていてそんなこと思った。ロックでも、ダンスミュージックでも、クラブ
ミュージックでも、ジャズでも、クラシックでも、現代音楽でもないオルターネティヴな耳を持った、ノスタルジーでもなく、画一化もされず、またあれもこれも欲しいという分裂症気味の消費の多様化という欲求や罠をも避け、すべての音楽ジャンルを俯瞰したなかでの21世紀音楽としての価値観を聴くことのできる耳を持つことの必要性に迫られているように思うし、またそうした音楽が生まれつつあるように思える。それにしても、なんとまあ、不必要な音楽の過剰なことか。ボクの言うそうした新しい耳、21世紀音楽とは、ロックもジャズも現存する音楽のすべてを、滔々と流れる西洋音楽の歴史(クラシック)に組込み"21th Century Music"として定義付け、"Neue Music"として考えることなのだが。カール・クレイグとジャーマン・ニューウェイヴのパレ・シャンブルグでホルガー・ヒラーが脱退した後の、トーマス・フェルマンがバンドのイニシアチヴだった時期に加入したモーリッツ・フォン・オズワルド ( Basic ChannelやMレーベルでのヒプノティックなダブミニマリズムの数枚の作品がいまも鮮やかに記憶に残っている)が、カラヤンのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による80年代のオリジナル録音から、ラヴェルの"ボレロ"、"スペイン狂詩曲"、そしてムソルグスキーの"展覧会の絵"をリコンポーズしているが、デトロイトやテクノハウスの先端がここまで来ているのも必然的なことなんだ。我々はこうした作品をもはやテクノとクラシックの融合とかで捉えるのではなく21世紀音楽(現代音楽)として聴く時代に突入している。
Recomposed by CARL CRAIG & MORITZ VON OSWALD -music by Maurice Ravel & Modest mussorgsky (Universal / Deutsche Grammophon 476 691 3)
A: Intro / Movement 1 / Movement 2
B: Movement 3 / Movement 4
C: Interlude / Movement 5
D: Movement 6
original recordings: Berliner Philharmoniker・Herbert Von Karajan
original music by Maurice Ravel: Bolero, Rapsodie espanole
Modest mussorgsky: Picture at an Exhibition
recorded by Berliner Philharmoniker, Herbert von Karajan (original recordings)
Berlin, Philharmonie, 12/1985(Bolero); 2/1986 (pictures); 2/1987 (Rapsodie)
concept: Christian Kellersmann, Moritz von Oswald
executive producer: Kleopatra Sofroniou
UNIVERSAL / DEUTSCHE GRAMMOPHON 2008
Festival of Lights 2008 /Music by Carl Craig/Moritz v Oswald
http://jp.youtube.com/watch?v=5ZcBO5GSZNw
Moritz Von Oswald with Max Louderbauer and Vladislav Delay
http://jp.youtube.com/watch?v=x6vb3eWsemM
AUTEUR JAZZ / TWO JAGUARS IN WARSAW (RT 025)
A1: Two Jaguars In Warsaw
B1: Gui Do
B2: Marbles
Antti Hynninen (woodwind, keys, drums )
Jarno Lappalainen ( bass -A, B2 )
Eero Tikkanen ( bass - B1 )
Abdissa Assefa ( percussion )
produced by Antti Hynninen
photography by Maija Eirola
sleeve by Antti Eerikainen
RICKY TICK RECORDS 2008
マルチプレイヤー + プロデューサーAntti Hynninenによるジャズ・プロジェクトAuteru Jazz。"Marbles"に聴かれるスピリチュアルなセンスもやはりジャズだけではなく、彼らの血に流れるバロキスム、クラシックの歴史的背景があってこそ生まれるものだろう。こうしたnu jazzでの"ジャズ的なるもの"の世界も、ジャズの文脈としてではなくポストモダン以後の21世紀音楽の文脈にあるものと言えるだろう。
AUTEUR JAZZ
http://www.myspace.com/auteurjazz
NICOLA CONTE / RITUALS Volume 1 - 2 (SCHEMA 441/1-2)
Volume 1
A: The Nubian Queens / Caravan / Karma Flower
B: Rituals / Castles In The Rain / Love In
Volume 2
A: Macedonia / Black Is the Graceful Veil / Paper Clouds
B: Like Leaves In The Wind / The Shaman / I See All Shades Of You
Fabrizio Bosso , Till Bronner , Flavio Boltro( trumpet )
Daniel scannapieco ( tenor sax )
Rosario giuliani ( alto sax )
Timo Lassy ( flute and baritone sax )
Mario Corvini / Gianluca Petrella ( trombone )
Nicola Conte ( guitar ) ............
recorded in Bari at Sorriso Studio
sound engineer: Tommy Cavalieri
produced by Nicola Conte
SCHEMA RECORDS 2008
このアルバムで圧巻なのはTill Bronnerがトランペットでセッションしている"Rituals"だろう。アルバムタイトルになった所以がわかる。それとFabrizio Bossonoのトランペットが聴けるDusko Gojkovicの曲"Macedonia"のバルカン・スケープだろうか。ジャズヴォーカルものも嫌いじゃないけれど・・・。ファイヴコーナーズ・クインテット以後のnu jazzの作品群のなかでも円熟し完成された美しい2枚組アルバムである。
Nicola Conte - Rituals - EPK
http://jp.youtube.com/watch?v=Cr0cRZ2fZ-w
Nicola Conte - Like Leaves In The Wind ( clip colour )
http://jp.youtube.com/watch?v=XIcx6hl0kV0&feature=related
最近、深夜に散歩がてらに都会を徘徊することが多くなった。そういうとまるで痴呆症の老人のようだが、90年代のレコード・アーカイヴをすることでパソコンの前に座って作業する時間が多くなって、平野クンと心斎橋から時には梅田まで自転車に乗って足を伸ばし夜の都市を散策しながら身体のコンディションを整えているのだが、地下鉄の最終がなくなる頃にはまるで都会をボクら2人が借り切っているように閑散とし、イルミネーションだけが幻想的に輝いている。みんなが寝静まったあとの深夜の都会は素晴らしい特別の時間が流れている。テレヴィでは連日経済破綻による100年に1度あるかないかの経済危機などと騒いでいるが、90年代のバブル崩壊とは違ってこの静けさは決して経済不安によるものだけではないだろう。おそらく今、古い価値観がすべて淘汰され新しい時代の価値観に刷新される過渡の時代で、ようやく本物だけが生き残れる時代がやってきているように思える。音楽の世界でもそれは現実に起こり始めている。
先日のJazzactiveの"Switched On - 3 "には多くのオーディエンスが顔をみせて下さりありがとうございました。お陰でいいイヴェントが持てました。彼らの音楽のスケールも回を重ねる度に大きくなっていて"ジャズ的なるもの"のバップイズムが身体から生まれつつあるように思えます。さて、jaz' room "nu things"も平野隼也クン以外にもレギュラーのブッキング・スタッフ(イヴェント・オーガナイザー)として新しく中島康佑クンと、サテライト・スタッフとして松山智美、宮下明世さんたち(みんな20歳そこそこの年齢でnu thingsも若返ることでしょう)が参画してくれることになり、来年は今まで以上により質のいいイヴェントを提供できると思います。期待しておいて下さい。