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Balance the consistency principle with the inconsistency principle

新しい先端で起こっている音楽のロジック 文脈は 進化的アルゴリズムに添って変容し続けている

新譜紹介'07 11.21

THE QUANTIC ORCHESTRA/TROPIDELICO(Tru Thoughts TRULP139)
「STAMPEDE」「PUSHIN' ON」に続くTQOの核を占めるファンク色を失わないラテンテイストの強い最新アルバム。UK、コロンビア、プエルトリコ、パナマ、中南米で現地の本場ラテン・ミュージシャンをフィーチャーして録音された12曲が収録された2枚組。今後来年の夏を盛りにクラブシーンはこうしたラテンテイストのジャズダンスが主流を占めるだろうことは必至。
http://www.quantic.org/

MARK De CLIVE-LOWE/Journey 2 The Light(FREEDOM SCHOOL FRLP-001)
ウェストロンドンのブロークンビーツでもマーク・ド・クライヴ・ローは初期からツゥステップのかなりジャズ寄りの音楽を展開していた。それは彼がバークリー音楽院出身でロンドンのハービー・ハンコックと言われるほどのキーボーディスト/プロデューサーとしての顔を持っているからだろう。この2枚組アルバムでもヴォーカルにベンベ・セグエをフィーチャーして、よりスピリチュアルなグルーヴを構築している。4打ちのハウスをDJ イングするくらいなら、もはやこうしたフューチャー・スピリチュアル·ジャズ=ブロークンビーツだろうよ。
http://www.youtube.com/watch?v=b5NXJS9F0OA

V.A. / Nueva vision sampler(SONNAR KOLLEKTIV SK165)
Jazzanovaコンパイルによるキューバン・ミュージック・コンピレーション「Nueva vision」からのサンプラーEP。33回転12インチシングルに全6曲収録されている。個人的にはこうした音楽が嫌いなわけではないが、最近のこうしたクラブ系の音楽が過去のキューバンやラテンへ依存、傾向が顕著なのは、出口なしの状況に陥っているクラブシーンの閉塞状態の表れである。ところでソナー・コレクティヴからリリースされているAraba WaltonをヴォーカルにフィーチャーしたRoland Appelの「Unforgiven」だが、シュールなジャケット写真と某輸入レコードショップのジャズ / クロスオーヴァーというインフォメーションに騙されて買ったが、ここには新しい概念などなにもなし。某輸入レコードショップさん、音楽ジャンルのカテゴライズ記述には気をつけた方がいいよ。ロック好きな人間は恐らくこのあたりのクラブ系音楽までは聴けるようになっているだろう。あれはジャズ/クロスオーヴァーではなくロックだ。ドイツの音楽シーンも愈々駄目になったな。


DUBLEY PERKINS/Flowers(STONES THROW STH7016)

BUMPS/BUMPS(STONES THROW STH2157)
新譜というわけではないが、再入荷したストーンズスロウからアルバム「Expressions(2012 a.u.)」など数枚の作品をリリースしているマッドリブのプロデュースしたダドリー・パーキンスのデビュー・7インチシングルと、ジョン・マッケンタイア、ジョン・ヘーンドン、ダン・ビットニーのトータスのドラム/パーカッションを担当している彼らが新たに結成したユニット、バンプスのファンク、ラテン、ブラジル、アフロといったあらゆるリズムが生音で録音されたブレイクビーツが全23曲集大成された2枚組アルバムを買った。こうしたブレイクビーツはDJが曲と曲を繋ぐときには必要不可欠なもの。

HANK MOBLEY/Thinking Of Home(BLUE NOTE LT-10459)

最近60年代のSaturn、Actuel/BYG、ESP-DISK'、Saravahなどのレーベルで発表されていた作品が少なからずアナログでリイシューされている。こうしたレーベルはプログレッシヴ・ロックを聴いていたボクには懐かしいものだが、もう一度ゆっくりと再解釈する必要に迫られている時代背景があるようにも感じている。機会をみつけてこのブログででも紹介し始めようか。さて、このブルーノートからの、70年に録音され80年代にLTシリーズの1枚としてリリースされていたアルバムだが、これもアナログリイシュー盤。ウッディ・ショウ、シダー・ウォルトン、エディ・ディール、ミッキー・ベース、リロイ・ウィリアムスとのシックでクールなジャズが楽しめる。

nu jazzや「ジャズ的なるもの」という現在、先端で起こっている音楽をほんとうに理解するには、アルゴリズム(Algorithm)という与えられた問題を解く手順が不可欠なんだ。でないと結局は元来た道に戻り、(黒人でもないのにアイデンティティという言葉を持ち出すことで無理にその音楽を肯定したり)、ロックのなれの果てのトランステクノやヒップホップのようなダンスミュージックから前に行けなく、(まるでRPGで行き先を失ったプレイヤーのように、同じフィールドをウロウロし次のステージに行く記号を必死に探しているかのように)、今頃になって古い90年代初期のコンセプトを持ったクラブで朝まで踊る愚行を繰り返すというわけだ(笑)。遺伝的アルゴリズムという言葉があるが、データ(解の候補)を遺伝子で表現した「個体」を複数用意し、適応度の高い個体を優先的に選択して交叉・突然変異などの操作を繰り返しながら解を探索するのだが、それと同じように90年代の初めから2001年までに起こったクラブシーンでの音楽の変遷を追体験しもしないで、nu jazzなんて理解できるものじゃない。新しい先端で起こっている音楽のロジック、文脈は、ある意味で進化的アルゴリズムに添って変容し続けているものなんだからね。プログラミングするときにアルゴリズムが解らないと、そもそもメモリの構造やプログラムの動作の仕組みがわからないというのと同じで、ボクがいくら新しい情報を流しても音楽の先端で起こっていることの何が重要かすらもわからないのは当たり前のことだ。今日のタイトルに使うためにイーノに貰ったOblique Strategiesのカードを引いたら「Balance the consistency principle with the inconsistency principle」というぴったりのアルゴリズムがでてきた。

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Comment (2)

東山 聡:

僕自身も、失われた10年の世代です。確かに、全てとはいかないまでも、全体の流れを把握しなければ、せっかくの情報の何分の1も理解できないし取り返せないまでも、追体験しなければ!と思いました。現在入手可能なものを探してでも聞いてみようと思ってます。 今回のブログで、プログレの事にも触れておられましたが、偶然ですが僕もGONGのsnamalとか、引っ張り出して聞いたりしてますね。70年代のこう言った音楽とTEDDY ROK等の音楽はかなり共通項があるように思うのですが...
いろいろ的外れな事を書いたと思いますが、そういったもっと遡った事についても、教えてください。

平野隼也:

アイデンティティ云々に関しては全く同意見です。そういったものを知識として得た上で感銘を受ける(受けたつもり)になるものは偽物だと思いますね。

BUMPSの音源をDJイングのつなぎに使うのか、メインで使うのかという所がjazz的なDJか否かという分かれ目だと思うのですがどうでしょうか?

音楽の変遷を追体験しようと思っても今は出来ないのでは?と思っています。というのも過去に有名なDJが参加するジャズイベント、ブレイクビーツイベント等に行ったのですが、そこではDJイングされていたのはジャズではなくJ-POP(その時はドリカム)であったり、ハウスがメインでした。そうなるとnu jazzというものが果たしてどれだけの人に理解出来るのか?とも考えてしまいます(勿論自分自身を含めて)。

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2007年11月21日 00:08に投稿されたエントリーのページです。

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