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Kerkko Koskinen / Agatha

Kerkko Koskinen / Agatha

Kerkko Koskinenの「Agatha」は、北極星を真上に見上げて暮らしているフィンランド人ならではの、クラシックやジャズを超越した壮大なポストモダンな「音楽の物語」が綴られている

KERKKO KOSKINEN, VERNERI POHJOLA & UMO JAZZ ORCHESTRA: "AGATHA" (RTCD06)
もう既に解散しているが、フィンランドのバンドUltra BratのKerkko Koskinenがコンポーズ/アレンジし、トランペッターのVerneri Pohjola とオーケストラ・ビッグバンドのUMO Jazz Orchestraの演奏によって制作された「AGATHA」というCDがRicky-Tickからフィンランドではこの15日にリリースされている。
ボクはまだこのCDを手に入れてはいないが、myspaceの彼のサイトで聴かれる「Crooked Room」「Helsinki Vantaa」「Pointing Finger」の3曲は、ジャズとクラシックの融合というと陳腐だが、クラシックではプロコフィエフのように亡命することもなく、1906年にレニングラードで生まれ、1975年にモスクワで没し一生を「鉄のカーテン」の向こう側で暮らし、筋金入りのソ連人と言われたショスタコヴィッチ。ロシアの作曲家で、初期の三作品、『火の鳥 』(L'Oiseau de feu, 1910)、『ペトルーシュカ』(Petrushka, 1911)、『春の祭典』(Le sacre du printemps, 1913)で有名なストラビンスキーの音楽や、社会主義リアリズムの路線に沿った作風、現代的感覚と豊かな叙情性を併せ持つ多くの傑作を生んだロシアの作曲家、ピアニストのセルゲイ・セルゲイェヴィチ・プロコフィエフなどに通じるロマンチックな印象主義者のジャジーな管弦楽といった感じで、ジャズではGil Evans、Ennio Morricone、他にはアガサ・クリスティなどにインスパイアーされたこの「AGATHA」は、北極星を真上に見上げて暮らしているフィンランド人ならではの、クラシックやジャズを超越した壮大なポストモダンな「音楽の物語」が綴られている。個人的にはこうしたKERKKO KOSKINENのような作曲家/アレンジャーの手によって構築された21世紀感覚を持つシネマチックで「ジャズ的なるもの」を、ずっと待ち続けていたのかも知れないな。
http://www.myspace.com/kerkkokoskinenagatha

http://www.kerkkokoskinen.com/
http://www.ricky-tick.com/

このアルバムでフィーチャーされているトランペッターのVerneri Pohjolaはまだ20代半ばの若いアーティストで結成された Ilmiliekki Quartet の2003年のアルバム「March Of The Alpha Males」( TUM Records TUM CD 005)や2003年に結成されたフィンランドのグループWarp!のアルバム「One Note Stories」などにも参加している。
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=110356075

http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=135937511

http://www.tumrecords.com/cd005.htm

また文部省や国営放送なども資金提供しているフィンランドを代表するビッグバンドで25年以上も活動を続ける、UMO Jazz Orchestraは、多くのフィンランドの優れたジャズミュージシャンの輩出に大きな役割を担っていて、Finn Jazzの核となっている。2005年に「Diester Digg」、2003年に「One More Time」などの作品を発表している。

「Agatha」の音楽とは直接関係ないが、ある意味リリカルなこの作品はKerkko KoskinenのUltra Bratの頃の歌詞に通じるところもあるので、ひとつの資料として紹介しておこう。

「PÄRNU パルヌ」
海岸の保養都市の秋
街に出るといつも雨降り
観光名所はとくにないが
家々の丸窓が私たちを見ている
みんなお菓子の箱を持っている
カフェばかり,あそこにも新しいのが1軒
数日いるだけの私たちにも
なじみのカフェになじみのテーブル
公園に面したホテルの客は老人たち
連れ合いに先立たれたおじいさん,おばあさん
パートナーを探している
私たちをみて何を思っているのだろう
あの人たちどうみても
砂風呂には行きそうにないね
海岸の保養都市の秋
街に出るといつも雨降り
観光名所はとくにないが
家々の丸窓が私たちを見ている
窓の外のテニスコートは激しい雨
ホテルの部屋で本を音読している
ヨット・クラブの港の静けさ
海岸には人っ子ひとりいない
訳 松村一登(東京大学)
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=100850078

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2007年08月16日 03:37に投稿されたエントリーのページです。

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