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2007年08月 Archive

2007年08月05日

Accept Advice

新譜 07.8.05
多くの古典的な記録としてのジャズはヒップホップの基礎としてあり、アブストラクト・ヒップホップもnu jazzとともに、古い伝統的ジャズを21世紀に対応する新たなジャズとして再構築し投げ返している

輸入レコードショップをチェックしても買うべき新譜レコードがないというのも寂しいものである。nu jazzの知名度も以前と比較するとかなり認知されてきてはいるが、残念なことにファイヴ・コーナーズ・クインテット以後、nu jazzと言われるレコードも皆無といっていいほどそれほどの数は発売されていない。クラブ系のハウスやヒップホップ、クラブジャズなどは音楽スキルがそれほど無くても、誰でもその気になればレコードなどは創造できるが、nu jazzとなるとそうはいかない。DJがnu jazzに影響されて作ったレコードなどは、感覚的には面白いものもあるだろうが、音楽的には稚拙過ぎて聴く気も起こらないしね。nu jazzはやはりどうあがこうがDJのものではなくジャズミュージシャンのものなのだ。現在店頭に並べられている新譜レコードは99.9%が90年代にその根を持つもので、若い世代はリアルタイムにそうした音楽を体験していないから、ハウスやヒップホップでも新鮮なのだろうが、そこに新しいヴィジョンはみられない。nu jazzもこのままでは火がつく前に終わってしまうだろうか。そんなこと考えていたら凄い音楽が現れてきたよ。マッドリブがプロデュースしたYESTERDAYS NEW QUINTET Presents「Yesterdays Universe」だ。

TIMO LASSY/THE CALL/SWEET SPOT(RICKY TICK RT015)
TIMO LASSY/THE SOUL & JAZZ OF TIMO LASSY(RT018)
ニッポンで先行発売されたCD「The Soul & Jazz...」の売り上げはそれほど芳しくないという話である。ファイヴ・コーナーズ・クインテットのようにスタイリッシュでモダンなnu jazzではないからだろうか。それともクラブ系のクラウドたちはボクが思うほどまだnu jazzの動向に興味を持っている人が少ないのかも知れないな。本格派ジャズファンが聴くにしては、ちょっとクラブ寄り過ぎるかもね。ティモ・ラッシーのこのアルバムでの音楽はFinn Jazzには珍しくソウルジャズ、ハードバップ、ファンキージャズで全体的にはスピリチュルなアフロやラテン的テイストの曲が多く、先日の「Somethin' Else Somethin' Nu」でJIMI TENORの「Joystone」のグルーヴにDJイングしてみたらうまく流れが作れた。FCQのJUKKA ESCOLAはトランペット、TEPPO MAKINENはドラムス、パーカッション、ヴァイブ、プロデュースでクレジットされている。「Sweet Spot」はアルバムからシングル・カットされたもの。
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=159743838

THE STANCE BROTHERS/STEVE McQUEEN+JAY'S LAMENT(RT012)
THE STANCE BROTHERS/ROLL CALL+THE STRONG ONE(RT017)
FCQのリーダーでありドラムスのTEPPO MAKYNENは、Ricky Tick以前はTEDDY ROC名義でwhat musicから「Universal Four」をリリースしていた。彼の新しいプロダクション、ザ・スタンス・ブラザースの7インチシングル2枚を聴いていると古くは90年代のモ’ワックスでのアブストラクト・ジャズ、現在ではYESTERDAY NEW QUINTETに共振しているのが解る。ジャズの抽象性、または古いジャズをズタズタに切断し再構築する新たなジャズのありかたに未来を見ているテッポ・マキネンの時代を読み取る先見の明、感性の鋭さに感服する。新しいセカンド7インチシングル「Roll Call」には歴代の名ドラマーの名前をポエトリーディングのように連呼する強烈なドラムブレイク「Roll Call」、ビブラフォンの音色がクールな「THE STRONG ONE」の2曲が収録されている。この2枚のシングルを聴くとアルバム「KIND SOUL」の発売が待ち遠しい。
http://www.nu-things.com/blog/2007/04/take_a_break.html
http://www.ricky-tick.com/stance.html
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=196074374


YESTERDAYS NEW QUINTET Presents.../YESTERDAYS UNIVERSE:PREPARE FOR A NEW YESTERDAY(VOL.1)(STONES THROW STH2158)
最近はハードバップだFinn jazzだと言ってアブストラクト・ヒップホップを侮り、この2、3年これらの情報を遮断していたら、知らない間にずいぶんジャズに接近しているのに驚いた。10ユニット、15トラックで構成されたイエスタデイ・ニュー・クインテット・プレゼンツの2枚組の新しいアルバム「Universe」を聴いて、もはやアブストラクト・ヒップホップというよりもプログレッシヴな新世代の未知のジャズが具現化されていて衝撃的だった。特に02、04、07、08、09、13、14などのエレクトロ・スペースジャズには新しい概念を持ったジャズの時代到来の息吹すら感じ、言葉を失うくらいに感動的だった。このアルバムは今年の最も重要なアルバムの1枚になるだろう。YNQにとっても、多くの古典的な記録としてのジャズはヒップホップの基礎としてあり、アブストラクト・ヒップホップもnu jazzとともに、古い伝統的ジャズを21世紀に対応する新たなジャズとして再構築し投げ返している。これは凄い! Yesterdays New Quintetの音楽はいまピークに向かって昇華し続けている。
http://www.nu-things.com/blog/2007/04/what_is_reality_of_situation.html

http://www.youtube.com/results?search_query=YESTERDAYS+NEW+QUINTET&search=Search



GERARDO FRISINA/TOKYO'S DREAM(SCHEMA SCEP420)
GERARDO FRISINA/NOTE BOOK-A Journey In Sound The Remixes(SCHEMA SCLP408)
ニコラ・コンテによって始まったイタリアでのラテンテイストのnu jazzもすでに円熟期を迎えている。「Hi Note」や 「Latin Kick」などジェラルド・フリジーナは数多くの作品をリリースしているが、2枚組「Note Book」はジェラルド本人による様々なアーティストの楽曲のリミックス&リワークをコンパイルしたもの。それに加え新曲が3曲収録されている。シングルカットされた「Tokyo's Dream」も収録されている。他にはAfro Artからリリースした作品、ディジー・ガレスピー「Swing Low,Sweet Gadillac」、サン・ラ「Stardust From Tomorrow」などのリミックスも収録され、SoulstanceのLo Greco兄弟のリズムセクション、ベネゼイラのパーカッショニストなどを起用することによってリズムセクションをより強力にし、次世代ジャズダンス・ミュージックとしてのnu jazzを展開している。ダンスミュージックはハウスからラテンキックのnu jazzへ。これ、もはや常識!


追記 8.9 '07 am4.46
「デジタル・コミュニケーションのテクノロジーは、インターネットやさまざまな情報機器の発展にともなって社会や人間のコミュニケーションを新しい形で支え始めた」とか言う人がいるけれど、果たしてそうだろうか。ミクシー友達だからとか、ブログを読んでくれているからネットの方が楽に友達をつくれるとか、仲良くなりやすいとか、コミュニケーションが成立しやすいとか言う人が居るけれど、どれだけ信憑性のある話か疑わしいものだ。ネットでのコミュニケーションは会ったこともないのに、ブログでの文章から想像するボクをひとつの理想像のような型にあてはめて思い込んでしまっていたり、昔からの知人のような態度で接することが多い。メールやチャットでの匿名やハンドルネームで会話している人たちの、あの馴れ馴れしい文章をみても、そうした罠にはまる人は多いだろう。「ネットの匿名性は個人をあいまいにすると同時に,他人との距離感もあいまいにする」と言った人がいるが、人と人のコミュニケーションには適当な距離を置くことは大事なことだ。このボクのブログだっていったいどんな人が見に来ているのか、コメントや足跡を残してくれる人はまだしも、数多くの人が覗きにきているからといって、そこに確かな感触があるわけではない。だからボクはネット・コミュニケーションに夢はみていない。ひょっとしたらネット依存症の人が増殖し始めているのかも。ブログやホームページもひとつのツールだし人と人を繋ぐ契機にはなるだろうが、人と人とのコミュニケーションは顔を付き合わせて交流してこそ始まるものだ。ボクのブログを読んでくれるのは嬉しいけれど、興味を持ってくれたなら会おうね。そして足跡くらいは残してね。それとここで紹介している音楽情報も、そのレコードやCDを聴いてこそ初めて理解できるということ。

2007年08月06日

On The Spot (Movie)

On the Spot
02 June '07
pm21:00-am5:00
at jaz' room nu things

SPECIAL GUEST:
NIKLAS WINTER & JUKKA ESKOLA
LIVE:
NWQ SPECIAL SESSION
NIKLAS WINTER(G)
JUKKA ESKOLA(Tp)
HIDEYUKI SHIMA(B)
TAKESHI MISHINA(Dr)
TAICHI SUGIMARU(p)

NATIVE
TOMOYOSHI NAKAMURA(As)
KENICHI OHKUBO(b)
YOSHITAKA YAMASHITA(Ds)
TAICHI SUGIMARU(p)

QUINTET WORLDWIDE
TETSUYA TATSUMI(Tp)
JUKKA ESKOLA(Tp)
SHOTA HISHIYAMA(P)
JEFF CURRY(B)
RYOHEI NOMURA(Dr)

http://www.nu-things.com/blog/2007/06/the_inconsistency_principle.html

2007年08月16日

Kerkko Koskinen / Agatha

Kerkko Koskinen / Agatha

Kerkko Koskinenの「Agatha」は、北極星を真上に見上げて暮らしているフィンランド人ならではの、クラシックやジャズを超越した壮大なポストモダンな「音楽の物語」が綴られている

KERKKO KOSKINEN, VERNERI POHJOLA & UMO JAZZ ORCHESTRA: "AGATHA" (RTCD06)
もう既に解散しているが、フィンランドのバンドUltra BratのKerkko Koskinenがコンポーズ/アレンジし、トランペッターのVerneri Pohjola とオーケストラ・ビッグバンドのUMO Jazz Orchestraの演奏によって制作された「AGATHA」というCDがRicky-Tickからフィンランドではこの15日にリリースされている。
ボクはまだこのCDを手に入れてはいないが、myspaceの彼のサイトで聴かれる「Crooked Room」「Helsinki Vantaa」「Pointing Finger」の3曲は、ジャズとクラシックの融合というと陳腐だが、クラシックではプロコフィエフのように亡命することもなく、1906年にレニングラードで生まれ、1975年にモスクワで没し一生を「鉄のカーテン」の向こう側で暮らし、筋金入りのソ連人と言われたショスタコヴィッチ。ロシアの作曲家で、初期の三作品、『火の鳥 』(L'Oiseau de feu, 1910)、『ペトルーシュカ』(Petrushka, 1911)、『春の祭典』(Le sacre du printemps, 1913)で有名なストラビンスキーの音楽や、社会主義リアリズムの路線に沿った作風、現代的感覚と豊かな叙情性を併せ持つ多くの傑作を生んだロシアの作曲家、ピアニストのセルゲイ・セルゲイェヴィチ・プロコフィエフなどに通じるロマンチックな印象主義者のジャジーな管弦楽といった感じで、ジャズではGil Evans、Ennio Morricone、他にはアガサ・クリスティなどにインスパイアーされたこの「AGATHA」は、北極星を真上に見上げて暮らしているフィンランド人ならではの、クラシックやジャズを超越した壮大なポストモダンな「音楽の物語」が綴られている。個人的にはこうしたKERKKO KOSKINENのような作曲家/アレンジャーの手によって構築された21世紀感覚を持つシネマチックで「ジャズ的なるもの」を、ずっと待ち続けていたのかも知れないな。
http://www.myspace.com/kerkkokoskinenagatha

http://www.kerkkokoskinen.com/
http://www.ricky-tick.com/

このアルバムでフィーチャーされているトランペッターのVerneri Pohjolaはまだ20代半ばの若いアーティストで結成された Ilmiliekki Quartet の2003年のアルバム「March Of The Alpha Males」( TUM Records TUM CD 005)や2003年に結成されたフィンランドのグループWarp!のアルバム「One Note Stories」などにも参加している。
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=110356075

http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=135937511

http://www.tumrecords.com/cd005.htm

また文部省や国営放送なども資金提供しているフィンランドを代表するビッグバンドで25年以上も活動を続ける、UMO Jazz Orchestraは、多くのフィンランドの優れたジャズミュージシャンの輩出に大きな役割を担っていて、Finn Jazzの核となっている。2005年に「Diester Digg」、2003年に「One More Time」などの作品を発表している。

「Agatha」の音楽とは直接関係ないが、ある意味リリカルなこの作品はKerkko KoskinenのUltra Bratの頃の歌詞に通じるところもあるので、ひとつの資料として紹介しておこう。

「PÄRNU パルヌ」
海岸の保養都市の秋
街に出るといつも雨降り
観光名所はとくにないが
家々の丸窓が私たちを見ている
みんなお菓子の箱を持っている
カフェばかり,あそこにも新しいのが1軒
数日いるだけの私たちにも
なじみのカフェになじみのテーブル
公園に面したホテルの客は老人たち
連れ合いに先立たれたおじいさん,おばあさん
パートナーを探している
私たちをみて何を思っているのだろう
あの人たちどうみても
砂風呂には行きそうにないね
海岸の保養都市の秋
街に出るといつも雨降り
観光名所はとくにないが
家々の丸窓が私たちを見ている
窓の外のテニスコートは激しい雨
ホテルの部屋で本を音読している
ヨット・クラブの港の静けさ
海岸には人っ子ひとりいない
訳 松村一登(東京大学)
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=100850078

2007年08月19日

BANG & OLUFSEN+MODAL

BANG & OLUFSENと辻邦浩のMODAL

BeoSound3200はレトロ・フューチャリスチックなデザインに魅了されて4年前に買ったもので重低音や中/高音の抜けもよく 一人住まいのシンプルライフの部屋のインテリアのひとつとしても欠かせないもの 「ジャズ的なるもの」を聴くにはオーディオ装置もその音楽の一部分である

"歌は世につれ 世は歌につれ"
"音楽はデザインにつれ デザインは音楽につれ"


1925年、ピータ・バングとスヴェンオルフセンによってラジオメーカーとして創立されたデンマークのバングアンドオルフセンからは、最近インターネットから音楽データをダウンロードできるBeoSound4やベオラブ5などのオーディオ・スピーカーなどの新しいタイプの製品が発売されているが、ボクのBeoSound3200はレトロ・フューチャリスチックなデザインに魅了されて4年前に買ったもので重低音や中、高音の抜けもよく、一人住まいのシンプルライフの部屋のインテリアのひとつとしても欠かせないもので気に入っている。アナログレコードはもう一台パナソニックのMASHを持っているのでB&OのAUXに繋いで聴いていることが多い。
http://www.bang-olufsen.com/page.asp?id=185

バングアンドオルフセンにも劣らない辻邦浩というプロダクトデザイナーがいる。以前彼が南船場でCafe「Mode」を立ち上げていた頃に、雑誌「BIT」で彼の作った「ウォータースピーカー」を取材し紹介したが、現在は堀江に移転してオフィスとショウルームを兼ねた同名のカフェを経営してもいる。先日久しぶりにそのカフェにお茶を飲みに行ったときに、「MODAL」という新しいスピーカーが展示されていたのだが、そのフォルムの美しさと、彼の洗練されたプロダクトデザインのアイデアに魅了された。

そのMODALは、上向きに音を送り出すというこれまでにない発想のスピーカーで、前向きに音を出すスピーカーに比べ、家具などの障害物によって音波が遮断されることなく放射状に空間に広がり、より純粋な音質が期待できるという。スピーカーの本体を包む発泡ウレタンをERPのシェルではさんだユニークな形状をしていて、また上部のスピーカーユニットにホコリなどが入らないよう不使用時にはシャッターが閉じる仕掛けになっている。プロダクトデザイナーの辻邦浩氏(Kunihiro Tsuji)は、1965年生まれで2000年 Kunihiro Tsuji Design 設立。2005年 東京大学客員研究員。空間デザイナー・建築家とコラボレーションし商業・公共空間の音環境を高度に音響デザインできる唯一の存在で、そのアーティスティックでかつ独自の音響心理学を用いたコンセプチャルな手法は、音響デザインの新しい時代を築いたといえる。2001年には「Water Speaker」をヴェネチアビエンナーレ時のベニスで発表し絶賛を博し、2002年9月ロンドンの100%Designでのインスタレーション、11月はフランスのデザインビエンナーレである「Biennale International Design Saint Etienne」では日本の代表として選ばれ、2004年からロボットラボラトリーのリーディングプロジェクトの代表としてロボティクスによる空間知能化デザインに取り組んでいる。

去年はミラノサローネの開催期間中(2006年4月5日~4月10日)にミラノ市内においてが立ち上げたエレクトロニクス企業である「Kunihiro Tsuji Scientific」が、新しい音響システム「Modal」の発表とインスタレーションを行った。会場となったのはミラノ市内の中心部にあるサンパオロ・コンベルソ(San Paolo Converso)。16世紀の後期ルネサンスに建造された古い教会で天井のヴォールトがカマボコ型をしており、その音響効果を利用して50年代にマリア・カラスがレコーディングを行った場所としても知られていて、辻は新しいスピーカーを発表する場として「ここをおいて他にない」と考えたという。今年の4月にもイタリアでイラリア・マレッリによるインタラクティブなインスタレーションを展示している。
(経歴/活動などはネットから抜粋したもの)

"歌は世につれ、世は歌につれ"という諺があるが、
いまや、"音楽はデザインにつれ、デザインは音楽につれ"なのだ。


追伸 '07 8 24

まるでボクらしくない話だけれど、今年のお盆は部屋から一歩も出ないで、1930年代後半から40年代の「太平洋戦争」、「World War II」、「End of World War II」などの古い歴史ヴィデオを見ながら、なぜニッポンが第2次大戦への道を辿ったのか、そして当時の欧州情勢と日本の置かれた立場などなど、ボクが生まれ落ちてからこの歳になるまで、いったいどのようなカラクリ、時代の潮流に巻き込まれて生きてき、世界がグローバル化によって現在の経済至上主義に至ったのかを、生まれて初めて真剣に考えた。なぜそんな気持ちになったのか、それをここで語るつもりはないが、ボクらニッポン人は常に(そして現代は特に)、そうした時代の空気や、人々が作り上げる靄のような集合的無意識、ムード感というか、実体のないものに絡みとられて、主体のないシュル・ファシズム、全体主義のように生きてきたような気がするんだ。ボクは常にそうした流れに逆らうように、個人主義的に生きてきたつもりだったが、しかし実はボク自身もそうした大きな時代の流れに組み込まれて生きているんだなと・・・。これは恐いことだぜ。だから、もう一度自分なりに自分の立っている足下を見直してみたくなったんだろう。

YESTERDAYS NEW QUINTET「Summer Suite」(STH2172)
ファンクラブ限定のCDが発売された。「夏の組曲」とでも訳すのだろう、The Last ElectroAcoustic Space Jazz & Percussion EnsembleとクレジットされたこのCDは、アブストラクト・ヒップホップというより、70年代のTribeやStrata-Eastなどのジャズに通じるオブスキュアでスペイシー、スピリチュアルなグルーヴを持っていて、先の「Yesterdays Universe」の延長線上の音楽が収録されていて素晴らしかった。

2007年08月26日

JAZZ INTO THE HEAVEN

夕暮れの高くなった西の空を見上げると、もう夏も終わり秋がすぐそこまで来ているのがわかる。昨夜のIsao OSADAがオーガナイズしたAfrontier Presents「JAZZ INTO THE HEAVEN 」は若いクラウドたちからジャズファンまでもが多く集まり、夏の終わりに相応しいアフロ、ラテン・グルーヴが渦巻く楽しいイヴェントだった。彼らは東京と横浜の新しい風を運んできてくれた。Vol.2は来月の15日に行われ、nu thingsではこのイヴェントをレギュラー化していく予定です。とりあえず昨夜の模様を写真で。

JAZZ INTO THE HEAVEN
25 August '07
pm21:00-am3:00

LIVE:
Black Beans Quintet feat. Maki Mannami
Native
DJ:
Takeshita (afrontier)
Izumida 池原玄 下元隆
Organizer:
Isao OSADA
http://afrontier.com/

BLACK BEANS QUINTET feat. MAKI MANNAMI
茅野嘉亮(tp) 阿部寿代(sax) 野口茜(key) 清水昭好(b) 工藤明(dr)
津島周平(per) Maki Mannami (vo)

Session

NATIVE
中村智由 (sax) 大久保健一(b) 山下佳孝(dr) 杉丸太一(key)

2007年08月28日

SOMETHIN' ELSE,SOMETHIN' NU

21世紀を生きるためのバランスのとれた新しい価値/秩序 そして音楽

70-90年代のベルリン、ニューヨーク、そしてロシアのショッキングなアンダーワールドをドキュメントした異色作品であるMiron Zownirの写真集「Radical Eye」にみられるように、奇形、逸脱、狂気、倒錯、死の臭い、シュールな世界にいまのボクは用はない。70年代の「ロックの時代」に嫌というほどこのようなラジカル・アイを見てきた。
http://www.mironzownir.com/

こうした写真集や美術書、マニアックなレコードを蒐集して悦にいってるディレッタント『dil・et・tante /dltnt, ‐tnt|dltnti/ ( 〜s,‐tan・ti /dltni,‐tn‐|‐tnti/) 文学・芸術の愛好家; 好事(こうず)家,ディレッタント. しろうと芸の,ディレッタントの.イタリア語「…喜びを見い出す人」の意』と呼ばれる人たちは、80年代の頃と比べると比較にならないほど多くなった。輸入書店や画廊、レコードショップなどで「アート」っぽいフリをしたそうした人を見かけると、つい笑ってしまいたくなるのだが(失礼!)、アートなんてなんの糞の役にもたたない。病に感染し誘発するだけだ。もはや引っ越しセンターだって「アート」なんだぜ。こうした、さも意味ありげな世界を肯定する人間を信じないほうがいいよ。そういう奴に限って、波風の立たない凡庸な日常を送っているのだ。ボクらの生きている不条理な現実は、Radical Eye以上の混沌とした世界が日常生活のなかでもう既にみられる。毎日起こっている事件を見てごらん。世界も、そしてそれ以上に人間そのものが壊れてしまっているだろう。それに比べると写真集「Radical Eye」の世界なんてかわいいものだ。80年代の急進主義や過激論をいまや現実が超えてしまっている。ボクがいま欲しいのは、21世紀を生きるためのバランスのとれた新しい価値/秩序なのだ。それは音楽に対してもイコールだ。ディレッタンティズムとはしろうと芸、道楽の域を脱けきれない。あくまでも芸術愛好家なのだ。ボクはそうしたアマチュアとなにかしようとは思っていない。音楽をやっていても常に社会に対して責任をとるアーティストと仕事したい。だから、お願いだからキミが芸術愛好家なら、アーティスト面して分かったようなウンチクを傾けないで、いつまでもセンスいいギャラリーのひとりで居て欲しい。そして素晴らしいミュージシャンやアーティストを支えてあげて欲しい。ところでアンドロイドは電気羊の夢をみるか?だが・・。人間とは生命とは? 我々はアイデンティティを喪失して、おかしな価値観に支配されてしまって久しい。だからこそバランスのとれた新しい価値/秩序が欲しいんだ。メェ〜・・。

さて8/31の「Somethin' Else,Somethin' Nu」は、どう展開しようか? 1年間やり続けた「Hard Swing Bop」もどうやら最後まで理解されずに終わってしまったが、まずイエスタデイ・ニュー・クインテットやカール・クレイグ、ザ・スタンス・ブラザース、Kieran Hebden、Steve Reid、Eddie Henderson、Phil Ranelin、Charels Rouse、Juju Raga、Chris Bowden、The Cinematic Orchestraなどを素材に何か新しいものが下りてくるまで、待つことにしよう。

追記 '07 9.1 am7.24

31日の「Somethin' Else,Somethin' Nu」でYNQを太い柱にスタンス・ブラザーズなどのアブストラクトなジャズと、音響系のKeiran Hebden、70年代のストラタ・イーストやSteve Reidのスピリチュアルなジャズ群を繋いでいくと、やはりとてもドープなうねる空間がフロアに現出した。これは90年代にMOWAXなどで構築したアブストラクトなジャズとは異質で、もっとスピード感の伴った帯状になったカオス世界という感じだった。ここまでくるともはやクラブジャズではなく踊ろうにも踊れないが、ロックからノイズ、音響系、フリー、アブストラクトなどの音楽潮流の好きな人にとっては、未知のドラッグミュージックという感じで新たなジャズとして発展していくかも知れない。それにはYNQのような音楽がもっと数多く表出するのを待たなければならないが。個人的にはこのグルーヴをFinn jazzやHard Bop以後の自分のDJイングのメインにしようとは思っていないが、機会があればたまには実験的に遊んでみてもいいと思っている。昨夜は打ち合わせしたように不思議と新顔の若いクラウドたちや珍しく若い女性客の顔もみられ、少しはこのイヴェントも定着し始めようとしているのかなと勝手な期待を抱かせてもらったが・。最後に、来て下さった方に、ありがとう。


予告 宣言
詩人 パンクス 小笠原淳

小笠原淳という詩人がいる。正真正銘の詩人だ。
彼のレコードプロデュースすることをここで予告し、宣言しておく。
それもひさしぶりにパンクだ。運命なのか奇跡か? それともなにかの悪戯か? 若い彼とアンガジェの精神、実存主義精神が共有できたからだ。信じられるか? ボクは奴のような存在をずっと待っていたのかも。小笠原のなかに町田ではなく、30年前の裸のラリーズの水谷をみてしまったのかも知れないな。とにかく、凄いアルバム作ってやるぜ!!
http://blogs.dion.ne.jp/junxiaoli/archives/6137843.html

http://www.d6.dion.ne.jp/~chun_mei/


'07 9-5 am4.25


'07 9/9 5.10
アクセス解析(利用統計)をみてみると、一日に平均500人のひとがこのホームページを訪問し、一日あたり16000-20000のヒットがある。直接このブログに来る人が大半以上だから表紙のカウンターは数字通りではないが。ところでボクがブログを始めてから、まだ半年ほどしかたっていないが、始めてから気付いたことだけれど、現在のネット市民社会の誹謗中傷中毒患者の多さと(ボクに石を投げてきた輩がいたから、投げ返してやったら、とたんにシュンとなっちゃって、コミュニケーションすら持てない)、いい歳こいた人間がイデオロギーもなにもない情緒的な日記や、お茶飲み話に興じていたり、その噂話のようなブログを書いていることで、さも社会に参加し発言しているように錯覚しているひとが多過ぎることなどを見て、ブログを近々辞めようと思っている(3年間やってきた「jaz' room nu things」もついでにリセット/総括して、新たに出直そうとも考えています)。よくよく考えればボクにネット市民社会なんて関係ないよな。「いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク」のようなシンポジウム団体でもあるまい。音楽の先端でのほんとの情報をこのブログやjaz' room nu thingsという場を使って配信しようと始めたけど、毎回ボクのDjイヴェントに顔をみせてくれていた人ですらHard Bopを単に不良の音楽だと批評した文章を読んでもう絶句したよ。もはや先端音楽の情報を流す必要もないかと決断したが、ボクを支持してくれているひとがいたなら許してくれよな。

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