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BLUE NOTE-3

6月25日、7月8日に続く。

ハードバップとはジャズ・ミュージシャンの持つエモーションをダイレクトにぶつけた音楽であり、変容し続ける都市のスピードそのものである

HARD BOP
3-5管「Trumpet+Trombone+Tenor Sax+Alto Sax+Baritone Sax+Flute」アンサンブルのアルバム27選

50-60年代当時のハードバップの定義を調べようと、先日梅田の古本屋で見つけた88年のジャズ批評 no.62の特集「名演激演 ハードバップ・カタログ」を読んでみたが、まるでボクのとらえているハードバップとは違いがありすぎて、なんの資料にもならなかった。当時のニッポンのジャズファンは本当にハードバップの本質を見抜いていたのかしらんと疑わしくなってきた。恐らく当時はアルバム全体としてその音楽を批評する慣習があって、1曲1曲音楽を聴くのではなくアルバム全体の印象ですべてを捉えていたからだろう。81年6月発行の"音楽の手帖「ジャズ」"のなかで「ビ・バップからハード・バップへ」と題して佐藤秀樹氏が「様式主義に走り、知的に溺れすぎたウェストコースト・ジャズに対する巻き返しであり、ハード・バップがバップ・リグレッションと呼ばれ、黒人ジャズの持つ伝統への回帰を意味し、何にも増してミュージシャンの持つエモーションをダイレクトにぶつけようとしたもの」と述べているが、ボクもその通りだと思う。ハードバップに最も重要なのは、2管、3管によるアンサンブル、カッコいいテーマユニゾンとエモーショナルなリズムの速度、ハイ・テンションだ。だから、バップやモード、新古典派と呼ばれているアルバムのなかにもハードバップと言える曲が多々ある。2管、3管が輪唱するように重厚なインタープレイの絡み合いやテーマを奏でるあのスタイル。そしてグルーヴと言えばアート・ブレイキーのドラムスに特徴の「シンバルでリズムを刻み、両手両足を目にもとまらぬ早さで動かし様々な音色を出し、ソロの終わりで次のソリストを導入するまでクレッシェンドでつないでいく迫力、ソリストをのせるために投げかけるブレークの見事さ」(アンドレ・フランシス著「ジャズの世界」)こそがハードバップの本意のように思える。今回は3管から5管によるアンサンブルのアルバムをブルーノート4000番台で27枚紹介しよう。ここでのアルバムの評価、糸口は正統派のジャズの視点からではなく、あくまでもnu jazz、Club Jazzの視点からコンパイルしていることを忘れないように。21世紀に対応するものとしてのハードバップ、モード。クラブジャズの先端であるnu jazz、Finn JazzのグルーヴにDJイング可能な曲を50-60年代のブルーノート・レコードから選曲してみた。

31.DONALD BYRD/OFF THE RACES(BST 84007)
超高速のハードバップ・アレンジによるA1「Lover Come Back To Me」、マーチ風イントロで始まるB2「Off To The Races」などはそのまま21世紀の時代感覚にあったクラブジャズとして適応する。Pepper Adamsのバリトン、Jackie McLeanのアルト、そしてバードのトランペットによる3管アンサンブル。ジャケ写のベンツに寄りかかるバード。車がジャズを象徴するものという時代もあったんだ。
Donald Byrd (Trumpet) 、Jackie McLean (Alto Sax) 、Pepper Adams (Baritone Sax)、 Wynton Kelly (Piano)、 Sam Jones (Bass) 、Art Taylor (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, December 21, 1958。

32.DONALD BYRD/BYRD IN HAND(BST 84019)
小粋にスィンガーする曲「Witchcraft」から始まるこのアルバムでは、ファンキーなハードバップA3「Devil Whip」、渾名がナイフと言われるペッパー・アダムスのように切れ味鋭いドスの効いたバリトンが聴けるB2「Clarion Calls」、2管ユニゾンの疾走するバードのトランペットが気持ちいいB3「The Injuns」などが新たなハードバップとして再構築できる。それにB1のウォルター・デイヴィスの曲「Bronze Dance」もラテンリズムのグルーヴがnu jazzの流れで使えなど、このアルバムの利用価値は大。
Donald Byrd (Trumpet)、 Charlie Rouse (Tennor Sax) 、Pepper Adams (Baritone Sax)、 Walter Davis Jr. (Piano) 、Sam Jones (Bass) 、Art Taylor (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, May 31, 1959。

33.JACKIE McLEAN/JACKIE'S BAG(BST 84051)
B1の「Appointment In Ghana」の3管による渋めのハードバップが最高。2管によるA1「Quadrangle」、A2「Blues Inn」などアルバム全体的に渋めの上質なハードバップが多く、テンションの高いハードバップからそろそろこの辺りのクールで渋いものにDJリストを変更しようかとも思っているが、でもDJイングしてもせいぜい40分くらいかな。それ以上は退屈になるかも。
Aサイド: Donald Byrd (Trumpet)、 Jackie McLean (Alto Sax) 、Sonny Clark (Piano)、 Paul Chambers (Bass)、 Philly Joe Jones (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, January 18, 1959。
Bサイド:Blue Mitchell (Trumpet) 、Jackie McLean (Alto Sax) 、Tina Brooks (Tenor Sax) 、Kenny Drew (Piano) 、Paul Chambers (Bass) 、Art Taylor (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 1, 1960。

34.TINA BROOKS/BACK TO THE TRACKS(BST 84052)
A1「Back To The Tracks」、B1「The Blues And I」、B3「The Ruby And The Pearl」などはシックで軽快なハードバップ。ブルーノートに眠っているティナ・ブルックスのリーダー作のこの一枚をマイケル・カスクーナの手によって陽の目を見たのがこのアルバム。
Blue Mitchell(Trumpet)、Jackie McLean(Alto Sax)、Tina Brooks(Tenor Sax)、Kenny Drew(Piano)、Paul Chambers(Bass)、Art Taylor(Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 1/October 20,1960。

35.FREDDIE HUBBARD/HUB CAP(BST 84073)
3管セクステットによるこのアルバムでは、ハードバップA1「Hub Cap」、ラテンテイストのハードバップB2「Plexus」の2曲が特にお薦め。A3「Luana」やB1「Osie Mae」でのラテンリズム、スウィンギーなハードバップもnu jazzやFinn Jazzの流れにマッチする。この「Hub Cap」はハバードが初めてモーダルなアプローチとフリーフォームに対する結論、トランペッターとしてのアイデンティティを確立したアルバムだと言われている。
Freddie Hubbard (Trumpet) 、Julian Priester (Trombone)、 Jimmy Heath (Tenor Sax) 、Cedar Walton (Piano)、 Larry Ridley (Bass)、 Philly Joe Jones (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, April 9, 1961。

36.FREDDIE HUBBARD/READY FOR FREDDIE(BST 84085)
珍しいユーフォニウムという金管楽器が使われたこのアルバムも全体的には3管編成の渋いハードバップが収められている。A1「Arietis」のモード的な美しいハーモニーとメロディ、トリッキーでドラマチックなA3「Marie Antoinette」、縦横無尽に疾走するハードバップ、B1「Birdlike」などの曲はFinn Jazzやnu jazzのグルーヴとして適応するだろう。
Freddie Hubbard (Trumpet)、 Bernard McKinney (Euponium)、 Wayne Shorter (Tenor Sax) 、McCoy Tyner (Piano) 、Art Davis (Bass) 、Elvin Jones (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, August 21, 1961。

37.LEO PARKER/LET ME TELL YOU 'BOUT IT(BST 84087)
ブルーノートから2枚のリ−ダーアルバムをリリースしているレオ・パーカー。バリトンサックスの太い音色はテンションの高いハードバップには最適。縦横無尽に疾走するバリトンの太いトーンが小気味いいA1「Glad Lad」、ドライブ感のあるハードバップA4「VI」、疾走するグルーヴB3「TCTB」など正にハードバップを象徴するアルバムだ。ゴスペル+ファンキー/カラーのB2「Loe Brown」もnu jazz的サウンドスケープを持っていて捨て難い。
John Burks (Trumpet)、 Bill Swindell (Tenor Sax) 、Leo Parker (Baritone Sax)、 Yusef Salim (Piano)、 Stan Conover (Bass)、 Purnell Rice (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 9, 1961。

38.ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS/MOSAIC(BST 84090)
3管になってから初のブルーノート録音。本作からトランペットがフレディ・ハバード、ピアノがシダー・ウォルトンに変わる。このメンバーチェンジによって、メッセンジャーズはファンキー路線から、よりショーターに合ったバンドに近づいてきたとこのアルバムを批評する人もいるが、そういうジャズの捉え方はもう古くさい。すべてをズタズタに解体してから再構築だ。A1「Mosaic」のようなラテンテイストのハードバップや、ハードでもダウンでもないエキゾチックなバップブルース的グルーヴのB1「Arabia」などはnu jazzやFinn Jazzに最も通じる世界。ウェイン・ショーターの曲A3「Chidren Of The Night」のソウルフルでスピリチュアルなグルーヴもモダンだ。
Freddie Hubbard (Trumpet)、 Curtis Fuller (Trombone) 、Wayne Shorter (Tenor Sax) 、Cedar Walton (Piano) 、Jymie Merritt (Bass) 、Art Blakey (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 2, 1961。

39.LEO PARKER/ROLLIN' WITH LEO(BST 84095)
バリトン奏者レオ・パーカーの未発表アルバムだったもの。3管アンサンブルだがハードバップとは言えないミディアム・テンポのバップブルースやポップジャズが収録されている。いまでも使えるものとして強いて挙げるならB4「Mad Lad Returns」くらいだろう。
Dave Burns (Trumpet)、 Bill Swindell (Tenor Sax)、 Leo Parker (Baritone Sax) 、John Acea (Piano)、 Stan Conover +Al Lucas(Bass) 、Purnell Rice (Drums)。Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 12, 1961。

40.ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS/BUHAINA'S DELIGHT(BST 84104)
これはショーター色の濃い、知的なアルバムでもある。ショーター作の3曲「Backstage Sally」などのミディアム・テンポのファンキー・ナンバーも素晴らしいが。ここではnu jazzという記号をコンセプトに記述しているので、細かいことはパス。アルバムタイトルの「ブハイナズ」とはアート・ブレイキーの回教徒名らしい。このアルバムではヘンリー・マンシーニの曲B3「Moon River」をものの見事ハードバップ仕立てにしているものと、A3「Bu's Delight」が21世紀速度を持っているグルーヴを選曲しよう。
Freddie Hubbard (Trumpet) 、Wayne Shorter (Tenor Sax)、Curtis Fuller (Trombone) 、Cedar Walton (Piano) 、Jymie Merritt (Bass)、 Art Blakey (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, November 28, 1961。

41.HERBIE HANCOCK/MY POINT OF VIEW(BST 84126)
ハービー・ハンコックのBlue Noteレーベルからの2ndアルバム「My Point Of View」。全体的にはモーダル/ブガルー/ファンキーバップのアルバム。無理して使うならブガルー/ファンキージャズのA1「Blind Man,Blind Man」とモーダルなB1「King Cobra」だろう。
Donald Byrd (Trumpet) 、Grachan Moncur III (Trombone)、 Hank Mobley (Tenor Sax)、 Herbie Hancock (Piano)、 Grant Green (Guiter)、 Chuck Israels (Bass)、 Tony Williams (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, March 19, 1963。

42.LITTLE JOHNNY/LITTLE JOHNNY C(BST 84144)
モーダル、ミディアム・テンポのバップブルースといった感の作品。ミディアム・テンポの渋いハードバップとしてB2「Heavy Legs」が使える。
Johnny Coles (Trumpet) 、Leo Wright (Alto Sax+Flute)、 Joe Henderson (Tenor Sax)、 Duke Pearson (Piano) 、Bob Cranshaw (Bass) 、Walter Perkins (Drums)、Pete La Roca(Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, July 18, 1963。

43.ANDREW HILL/POINT OF DEPARTURE(BST 84167)
当時、時代をリード する存在だったEric Dolphyの参加によって話題を呼び、高い評価を集めたアルバムらしい。アンドリュー・ヒルのブルーノート第4作目にあたる3管セクステットでの、こうしたアブストラクト/インタープレイのドラマチックなハードバップこそ単純になりがちなグルーヴに緊張感を持たせるために最も必要。A1「Refuge」、B2「Flight 19」のアブストラクトなハードバップは最高。
Kenny Dorham (Trumpet)、 Eric Dolphy (Alto Sax+Flute+Bass Clarinet)、 Joe Henderson (Tenor Sax) 、Andrew Hill (Piano) 、Richard Davis (Bass) 、Tony Williams (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, March 21, 1964。

44.ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS/FREE FOR ALL(BLP 4170)
アート・ブレイキーのドラムスを聴くまでは、なぜかそのダイナミックでオーバーアクションぎみのドラムテクニックというイメージや先入観で、彼のアルバムを買うのを避けていたのだが、それが大きな誤解であることが、こうしてアルバムの多くを聴いて初めて気づいた。前面にでることなく一定のグルーヴをキープしている安定したリズム感、曲のピークでのテンションの高いときのダイナミズムなどなど。何事もイメージや先入観で判断したら大きな間違いをおかすことになる。すべて自分の耳や目で確かめることだ。ブレーキーの作品にとってはショーターの知性が不可欠だというのも頷けるが。A1「Free For All」、B1「The Core」でのリズムの叩き込みのカッコ良さ!。これはもう現在のnu jazzに最も必要なグルーヴであり、現在のジャズに最も欠けているグルーヴ、テンションでもある。B2「Pensativa」はラテンテイストでnu jazzに繋がるグルーヴ。
Freddie Hubbard (Trumpet) 、Curtis Fuller (Trombone)、 Wayne Shorter (Tenor Sax)、 Cedar Walton (Piano)、 Reggie Workman (Bass) 、Art Blakey (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 10, 1964。

45.DONALD BYRD/I'M TRYIN' TO GET HOME(BST 84188)
男女混合のヴォイス/スキャットを絡ませたファンキー・ゴスペル・ジャズ。ちょっと特殊な使い方をするならA3「I'm Tryin' To Get Home」をアップテンポのゴスペルテイストのハードバップとして。
Jimmy Owens, Ernie Royal, Clark Terry, Snooky Young (Trumpet)、 Donald Byrd (Trumpet+Fluegelhorn) 、Jimmy Cleveland, Henry Cocker, J.J. Johnson, Benny Powell (Trombone)、 Jim Buffington, Bob Northern (Fluegelhorn) 、Don Butterfield (Tuba) 、Stanley Turrentine (Tenor Sax) 、Herbie Hancock (Piano) 、Freddie Roach (Organ)、 Grant Green (Guiter) 、Bob Cranshaw (Bass) 、Grady Tate (Drums)、 Duke Pearson (arranged) 、Coleridge Perkinson (Dir, Cond) unidentified vocal chorus。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 17, 1964。

46.DUKE PEARSON/WAHOO(BST 84191)
渋めのモーダル色の濃いハードバップとしてB3「Fly Little Bird Fly」をお薦め。それ以外は使えそうもないかも。
Donald Byrd (Trumpet) 、James Spaulding (Alto Dax+Flute)、 Joe Henderson (Tenor Sax) 、Duke Pearson (Piano)、 Bob Cranshaw (Bass) 、Mickey Roker (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, November 21, 1964。

47.WAYNE SHORTER/THE ALL SEEING EYE(BST 84219)
ブルーノートでの65年録音4枚目のリーダー作。5管アンサンブルのこのアルバムは現代音楽+フリージャズ。B1「Chaos」がハードバップとして活用できる。
Freddie Hubbard (trumpet+Fluegelhorn) 、Alan Shorter (Fluegelhorn) 、Grachan Moncur III (Trombone) 、James Spaulding (Alto Sax) 、Wayne Shorter (Tenor Sax) 、Herbie Hancock (Piano)、 Ron Carter (Bass) 、Joe Chambers (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 15, 1965。

48.JOE HENDERSON/MODE FOR JOE(BST 84227)
3管+ヴァイブという編成が現在のnu jazzにマッチする。軽やかなハードバップB2「Granted」、ラテンリズムのB1「Caribbean Fire Dance」、A1「A Shade Of Jade」、A3「Free Wheelin'」などのモードと呼ばれていた曲なども勿論nu jazzに適応できる。
Lee Morgan (Trumpet)、 Curtis Fuller (Trombone)、 Joe Henderson (Tenor Sax)、 Bobby Hutcherson (Vibes) 、Cedar Walton (Piano) 、Ron Carter (Bass) 、Joe Chambers (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, January 27, 1966。

49.HANK MOBLEY/A CADDY FOR DADDY(BST 84230)
ブガルーのA1「A Caddy For Daddy」から始まり、全体的にはクールでモダンなアルバムだ。B3「3rd Time Around」は軽やかな60年代的ハードバップ。A2「The Morning after」、B1「Venus Di Mildew」などは現在の都市の景観にも通じるモダンな曲。ブガルーあたりのグルーヴは90年代初頭のアシッドジャズのものかも。
Lee Morgan (Trumpet) 、Curtis Fuller (Trombone) 、Hank Mobley (Tenor Sax) 、McCoy Tyner (Piano) 、Bob Cranshaw (Bass)、 Billy Higgins (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 18, 1965。

50.STANLEY TURRENTINE/ROUGH 'N TUMBLE(BST 84240)
ブルージー+ゴスペルの世界でハードバップとして使えそうなものは1曲もない。スウィンギンなアレンジA3「Feeling Good」、4管アンサンブルのビッグバンド的アレンジB3「Baptismal」が新鮮だが。
Blue Mitchell (Trumpet) 、James Spaulding (Alto Sax)、 Stanley Turrentine (Tenor Sax)、 Pepper Adams (Baritone Sax)、 McCoy Tyner (Piano) 、Grant Green (Guiter)、 Bob Cranshaw (Bass)、 Mickey Roker (Drums)、 Duke Pearson (Arrangements)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, July 1, 1966。

51.DUKE PEARSON/SWEET HONEY BEE(BST 84252)
サイドAはイージーリスニング・ジャズ/ポップジャズといったもので、強いて使うならA2「Sudel」のラテンテイストの曲くらいだろう。モダンな記号にこだわりすぎて少々軽すぎカフェミュージックとして機能するくらい。
Freddie Hubbard (Trumpet) 、James Spaulding (Alto Sax+Flute) 、Joe Henderson (Tenor Sax) 、Duke Pearson (Piano)、 Ron Carter (Bass) 、Mickey Roker (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 7, 1966。

52.STANLEY TURRENTINE/THE SPOILER(BST 84256)
5管によるブルージーかつファンキーなジャズ。A3「La Fiesta」のラテングルーヴがnu jazzとして使える。
Blue Mitchell (Trumpet) 、Julian Priester (Trombone) 、James Spaulding (Alto Sax+Flute) 、Stanley Turrentine (Tenor Sax)、 Pepper Adams (Baritone Sax) 、McCoy Tyner (Piano)、 Bob Cranshaw (Bass+Fender Bass)、 Mickey Roker (Drums) 、Joseph Rivera (Shaker+ Tambourine ) 、Duke Pearson (Arrangements)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 22, 1966。

53.DONALD BYRD/BLACKJACK(BST 84259)
ジャズ・ ファンクの傑作と言われているアルバムだが、A2「West Of The Pecos」とA3「Loki」hsSylvester Kynerの曲でハードバップやnu jazzが切り口ではちょっと物足りない。軽いハードバップとしてドナルド・バードの曲B3「Pentatonic」が唯一使えるかも。
Donald Byrd (Trumpet)、 Sonny Red (Alto Sax) 、Hank Mobley (Tenor Sax) 、Cedar Walton (Piano) 、Walter Booker (Bass)、 Billy Higgins (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, January 9, 1967。

54.DUKE PEARSON/THE RIGHT TOUCH(BST 84267)
ジャズボッサの名盤として有名なこのアルバムでは、A1「Chili Peppers」、B1「Los Malos Hombres」などのラテンリズムの曲はFinn Jazz、nu jazzのグルーヴとしてそのままDJイングできる。
Freddie Hubbard (Trumpet)、 Garnett Brown (Trombone)、 James Spaulding (Alto Sax) 、Jerry Dodgion (Alto Sax+Fluto)、 Stanley Turrentine (Tenor Sax) 、Duke Pearson (Piano+Arrangements)、 Gene Taylor (Bass)、 Grady Tate (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 13, 1967。

55.TYRONE WASHINGTON/NATURAL ESSENCE(BST 84274)
3管によるテーマ・ユニゾンや掛け合いが素晴らしいソウルジャズA1「Natural Essence」、B1「Soul Dance」。B2「Ethos」はラテンリズムの曲でFinn Jazz/nu jazzとしてとらえられる。
Woody Shaw (Trumpet) 、James Spaulding (Alto Sax+Flute)、 Tyrone Washington (Tenor Sax) 、Kenny Barron (Piano) 、Reggie Workman (Bass) 、Joe Chambers (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 29, 1967。

56.WAYNE SHORTER/SCHIZOPHRENIA(BST 84297)
当時、新主流派的と言われたジャズはハードバップを核に発展していったものだと言われている。このアルバムもインタープレイ/フリージャズに重点が置かれているがボクはハードバップの進化したものだととらえている。A3「Schizophrenia」は、スローなイントロで始まり急転調するハードバップ。A1「Tom Thimb」はラテンテイストの曲。このアルバムもHard Swing Bopでは必要不可欠のアルバム。
Curtis Fuller (Trombone)、 James Spaulding (Alto sax+Flute)、 Wayne Shorter (Tenor Sax)、 Herbie Hancock (Piano)、 Ron Carter (Bass)、 Joe Chambers (Drums)。
Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, March 10, 1967。

57.HANK MOBLEY/THE FLIP(BST 84329)
スタイリッシュでモダンなハードバップB2「18 Th Hole」。B3「 Early Morning Stroll」はお洒落なモード。B1「Snappin' Out」はラテンボッサの曲。これらをすべてnu jazzとして聴き直すと、また違った視界が開けてくるんだ。音楽ってキミの意識の持ち方によって心の中に入ってもくるし、また、こないものでもあるんだ。不思議だね。
Dizzy Reece (Trumpet)、 Slide Hampton (Trombone)、 Hank Mobley (Tenor Sax) 、Vince Benedetti (Piano)、 Alby Cullaz (Bass)、 Philly Joe Jones (Drums)。
Barclay Studios, Paris, France, July 12, 1969。

myspace/blue note
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=59065129

バップ、クール、ハードバップを通過してフリージャズ、ロックへと、加速度的に変わり続ける時代とともに変遷を繰り返し世界を拡張していったマイルス・デイヴィスの音楽を思う時、管楽器はやはりジャズだけではなくすべての音楽の華であり、あらゆる音楽状況を支配できるものだと思う。ハードバップはその管楽器の持つ機能を最も効率よく引き出した典型的な音楽ではないだろうか。管楽器は未来へ繋げる音楽への可能性をまだまだ秘めた楽器であるとボクは信じている。

追伸 「Hard Swing Bop」というコンセプトで、50-60年代のハードバップを21世紀のこの今の時代感覚に合うものとして再構築してから、もう1年が経とうとしている。こんなことしているのは世界広しといえど、ボクくらいのものだろうが、その大きな理由はこの2、3年の音楽シーンにnu jazz以外なにひとつ新しい音楽が表出してこなかったからだろう。先端の音楽ばかりを追ってきてもう30年近く経つが、こんなことはかって一度も無かった。音楽だけではなく、これがこの2007年の世界を取り巻くリアルな現状だろう。きっと新しい音楽はもう人間が重力から解放されるようなことがないかぎり、表出しないだろう。明日26日から始める「Somethin' Else, Somethin' Nu」は、ハードバップだけにとらわれないで、「ジャズ的なるもの」という大きな括弧つきのDJイングを楽しもうと考えている。その行為のなかで、なにか新しいものが見えてきたら幸いである。

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Comment (10)

萩原 敏弘:

前回はコメントありがとうございました。時間をつくって阿木さんのHard swing bopに遊びに行きたいです。最近、阿木さんの紹介されているblue noteを中古レコード屋やネットで購入してみてはハード・バップを知ろうといろいろ聴いてみました。かっこいいものが多くて探求の甲斐がありますが、(多分、今のところは無いと思うんですが)ハード・スウィング・バップのためのブレーク・ビーツ集みたいなものがあったらカッコよさそうですね。【東芝EMIからBLUE NOTE NONSTOP 60 TRAX(TOCJ-6307)というSAMPLERみたいのが出ていますがちょっと使えません】加工されたブレーク・ビーツ集と原盤を併せて使うことによって、新たなDANCE JAZZの切り口が見えて来るかも知れません。

nu things スタッフ一同:

先週21日土曜日に行いましたjaz' room nu thingsの3周年記念パーティに来て下さった多くのミュージシャン、お客さんたちにここでお礼を言っておきます。ほんとにありがとうございました。楽しんで頂けたでしょうか。これからもnu thingsならではのイヴェントをオーガナイズしてゆき、いつまでもみなさんに支持していただけるよう前進できればと思っています。

当日の模様は下記のホームページで
http://blog.livedoor.jp/amy1026/archives/50329650.html
http://blog.goo.ne.jp/soulmarine/e/a3fbee4639f0c8694ebbe366594597fa

私がジャズに傾倒していったのは、10代の後半にラッパという楽器が最も有効に機能する音楽だと確信したからです(そのきっかけはFreddie Hubbardでした)。若い頃はそうしたアイドルを追いかけることに夢中でしたが、それなりに歳を取り、阿木さんに気づかせてもらった数多くのことから「デザインとしての音楽」もしくは「ジャズにおけるモダンデザイン」ということが自分の中で非常に重たいです。そしてそこにあるさまざまなデザインはどれも好きなのですが、そこからどれをどのようにチョイスするのか、というのはいつも難しい問題です。禅問答の話で、ムカデがいつもは無意識で歩いているのに、どうやって動かすと歩けるんだろうと考え出したらこんがらがって歩けなくなってしまったという話に似ています。なかなか始末に追えません。

遅ればせながらnu-things3周年おめでとうございます。クラシカルのライブを入れられたという話を聞き、ちょっとびっくりしました。が、阿木さんは、恐らくは音というメディアを使ったデザインとして音楽を捉えていらっしゃると思っているので、この手も当然アリと感じました。クラシカルのカルテットが何を演奏したのかが気になります。

miaou:

辰巳さん、お元気ですか?nu-thingsはVn Vc共生音で非常に音の通りが良く、最近のお風呂場状態のコンサートホールよりもずっと室内楽向けの音場で奏者皆ご機嫌でした!当日はプーランクの小品、イベールの間奏曲 ピアソラのブエノスアイレスの夏、リベルタンゴ、カバレリアルスティカーナのアリア等々フルート加え演奏致しました。阿木さんがDJで良い空気を演出して下さったのでとっても素敵な時間でした!

>miaouさん
なるほどそういう並びでしたか。何となく予測してましたがラテンヨーロッパ系の作家の作品が多かったのですね。納得です。

阿木さん、追伸でぼくのブログを紹介していただいてありがとうございます。
自分の書いた記録を読み返して、「Hard Swing Bop」の1年間を振り返っていました。1回1回がとても濃密な時間で、貴重な体験だったと強く思っています。50年代、60年代のハードバップがメインのDJということで、おそらく、多くの人はノスタルジックな追体験だと誤解しているのかもしれません。
阿木さんが取り上げた、アルバムとナンバーをリストアップしたとしても、その夜のことは、0.1パーセントも伝わらないでしょう。50年前のハードバップと現代がつながった貴重な時間でした。それを言葉で伝えることは不可能でしょう。現場に立ちあった者だけの特権です。
ぼくは神話になってもいいと思っている「Hard Swing Bop」シリーズですが、余りにオーディエンスが少なかった。残念です。

阿木 譲:

杉谷さん
来てくれた人にはほんとにギャラリーが少なくて申し訳なく思っています。この前の「Hard Swing Bop」は土曜日ということもあってか、初めて20人弱で、平日のこのイヴェントはせいぜい10人も来ればという情けない結果です。音楽以前にきっとボクの人間的魅力が足らないのでしょう。自分の店だからこんなことも出来るのでしょうが、まあヘコマないで、なんとか続けて頑張りたいと思っています。よろしく!

>阿木さん
ほんとうにこの前の土曜日の「Hard Swing Bop」は人数が多くて、聞いているこちらも気持ちが良かったです。こんなにも素晴らしいDJなんだから、他の曜日も、もっと多くの人に聞いて欲しいです。実際、数日前には、mixi の「nu things コミュニティ」で「Somethin' Else, Somethin' Nu」を告知しました。
ぼくも聞き続けたいし、どうか、素晴らしいDJを続けてください。

阿木 譲:

杉谷さんへ
今日も顔みせてくださってありがとうございました。DJイングしていて、なんとか新しいSomethin' Nuが見えてきたような感触を味わいましたが、いかがでしたか? お客さんの数は相変わらずのギャラリーでしたが、フライヤーも作らないで、知人に電話で来て下さいなどと無理強いもせず、このホームページだけの告知で10人もの人が来てくれるということも考えれば、まんざらでもないんじゃないかとも思っています。途中であきらめないで続けていれば、きっといつか報いられることもあるでしょう。次回の「Somethin' Else,Somethin' Nu」は未定ですが、今後ともよろしく。

>阿木さん
前回までとの違いははっきりと感じました。DJイングがより阿木さんの作品であることが鮮明になったと思います。以前だって、そうだったんですが、今回のを聞いて過去を振り返るなら、DJのコンセプトがより鮮明になりました。それが「新しい Somethin' Nu」なのかどうか、ぼくにはまだ分かりません。

今回はレコードジャケットを見せていませんでした。良かったと思います。ぼくも何が掛かっているか、考えることなく、サウンドそのものに集中できました。実際、DJで誰の何が掛かっているかなんて関係のないことだと思いました。阿木さんのアートな時間が流れている、それだけで十分です。しかし、だからこそ、聞き手にもそれなりのテンションを要求するDJでした。疲れました。いや、阿木さんの方が何倍も疲れただろうことは想像できます。次回を楽しみにしています。

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2007年07月18日 22:14に投稿されたエントリーのページです。

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