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Work at a different speed

nu jazz 2
SCHEMA RECORDS

SCHEMA SEXTET
●SCHEMA SEXTET/LOTAR+BEFOR TEN O'CLOCK Tribute Basso-Valdambrini(SCEP320)
●SCHEMA SEXTET/LOOK OUT Tribute to Basso-Valdambrini(SCLP320)
イタリアでのnu jazzの始まりは2000年に発表された50〜60年代にかけて双頭クインテットを率いていたジアンニ・バッソ(ts)とオスカル・ヴァルダンブリーニ(tp)に捧げられトリビュートした12インチシングルSCHEMA SEXTETの「Loter/Befor Ten O'clock」だ。BASSO-VALDAMBRINIは当時のイタリアではスター扱いされるほど人気があり「WALKING IN THE NIGHT」(BVCJ-37516)、「THE BEST MODERN JAZZ IN ITALY 1962」(BVCJ-37517)など多くのアルバムを発表していた。その50-60年代にリリースされたアルバムのなかからnu jazz的解釈し直し11曲をコンパイルしリメイクしたのがSCHEMA SEXTETのダブルアルバム「LOOK OUT」である。この日本ではスケマ周辺の情報ではニコラ・コンテだけが取り上げられSCHEMA SEXTETは無視されがちだが、60年代に頂点を極めたヨーロッパ/ジャズの黄金期の一端を担っていたイタリアのジャズの根本をきっちりと押さえておこう。

BASSO-VALDAMBRINI
●QUINTETTO BASSO-VALDAMBRINI/WALKING IN THE NIGHT(BVCJ37516)
●SESTETTO BASSO-VALDAMBRINI/THE BEST MODERN JAZZ IN ITALY 1962(BVCJ37517)
日本で95年発売されたアルバム「The Best Modern Jazz...」のライナーノーツで後藤誠氏は、当時のイタリアのジャズミュージシャンたちは、クラシックの要素を持ちながらウェストコースト・ジャズに大きな関心を示していて、ビバップよりもチェット・ベイカー、ジェリー・マリガンらの洗練されたスタイルに音楽的共通点を見いだし、バッソ=バルダンブリーニの双頭グループもスタン・ゲッツ、チェット・ベイカー風のスタイルからスタートし、その後ハードバップ、ファンキージャズの要素を自分たちの音楽に取り入れていったと書かれている。

●BASSO-VALDAMBRINI QUINTET(DJV2000027)
●BASSO-VALDAMBRINI QUINTET Plus DINO PIANA(DJV2000029)
●THE BASSO-VALDAMBRINI OCTET/NEW SOUND FROM ITALY(DJV2000030)
イタリアでもnu jazzの波を受け彼らの音楽が再評価されはじめているのか、つい最近DEJAVU RECORDSからヨーロピアン・ジャズ再発シリーズと銘打って400枚限定で59年発売のMUSIC原盤「BASSO-VALDAMBRINI QUINTET」(DJV 2000027)、このアルバムのB面ラストに収録された曲「CHET TO CHET」は勿論トランペット奏者ヴァルダンブリーニがチェット・ベイカーに捧げた曲である。そして60年に発表された「BASSO-VALDAMBRINI QUINTET Plus DINO PIANA」(DVJ 2000029)、59年にjollyから発表された「BASSO-VALDANBRINI OCTET/NEW SOUND FROM ITALY」(DVJ 2000030)の3枚のアルバムが同時に発売されている。400枚しかプレスされていないこうしたレコードを買っているのは、恐らく日本のDJやジャズファンだろう。これほどイギリス、ヨーロッパや北欧でのnu jazzや音楽業界にとって、日本ほどおいしいマーケットはないだろう。それは80年代のパンク、ニューウェイヴ、ロックの時代でもそうだった。

NICOLA CONTE
SCHEMA SEXTETのアルバムが発表された2000年を境に、それまではブレークン'ボッサというコンセプトでクラブジャズを展開していたスケマもその後nu jazzを意識した展開を始めている。SCHEMAレコード傘下のアーティストのMicatone、Les Gammas、Espen Horne、The Dining Rooms、Freeform Arkestraなどの作品をニコラ・コンテが2002年にリワークした「JET SOUNDS REVISITED vol.1」は、オリジナルに新たな解釈(new interpretations)をもたらしたニコラ自身の作品として評価されたと同時に、nu jazzが次世代のための新しいダンスミュージックとして大きくクラブシーンに受け入れられる結果になった。去年大阪のブルーノートでニコラ・コンテのステージを見たが、ライヴステージでのギタープレイはPAなどの不備もあったが、お世辞にもいいとは言えなかった。彼はジャズ・ミュージシャンよりも作曲家、DJ的才能に秀でていてプロデューサーやアレンジャー、コンパイリストとしての素養を持ったアーティストかも知れない。
●NICOLA CONTE/JET SOUNDS REVISITED VOL.1(SCEP350)
この2枚組10インチシングルではニコラ・コンテは3曲を書き直している。ジェット・サウンドというからには彼もまたモッズ・カルチャーに影響されたひとりなのだろう。
●NICOLA CONTE/KIND OF SUNSHINE+IMPULSO(BLUE NOTE/SCHEMA SCEP382)
2004年作10インチシングル。LUCIA MINETTIをヴォーカルにフィーチャーした曲
KING OD SUNSHINEでトランペットにクレジットされているSCHEMA SEXTETのメンバーでもあるFABRIZIO BOSSOは「Trumpet Legacy」(SoundhillsSSCD8132)、「Rome After Midnight」(SoundhillsSSCD8129)、「Fast Flight」(RedRR123287-2)など既に10枚ほどの作品を発表しているイタリアのジャズシーンで最も注目を浴びている若手ハードバッパーである。彼の名前は心に刻んでおこう。

CD、BALANCO/BOSSA & BALANCO(Schema/Rip Curl Recordings RCIP0007)の97年頃からすでにスケマとも関わりをみせている。FABRIZIO BOSSOがポスト・ユッカとして頭角を現わしてくるのはもう時間の問題だろう。

●NICOLA CONTE/OTHER DIRECTION VOL.1(BLUE NOTE/SCHEMA SCLP386/1)
●NICOLA CONTE/OTHER DIRECTION VOL.2(BLUE NOTE/SCHEMA SCLP386/2)
ニコラ・コンテのボッサ調の甘い曲も嫌いではないが、ブルーノート/スケマからリリースされたこのアルバムでの「OTHER DIRECTIONS」や「IMPULSO」「THE DHARMA BUMS」「KIND OF SUNSHINE」というハードバップの数々もnu jazzの名曲として残るだろう。FCQやニコラ・コンテの凄いところは、今後続々表出してくるだろう次世代のハードバッパーに繋がる道を最初に切り拓いたアーティストであることと、やってくるだろう時代を先読みし誰もやらないことを誰よりも最初にやったことだ。いつの時代にも存在するそうしたミュージシャンの鋭い感覚はやはり予言者にも似て新しい未来のヴィジョンを我々にみせてくれる。

●NICOLA CONTE+GERARDO FRISINA/NEFERITITI*GICA'S DANCE(SCEP364)
フリーダム・ジャズ・ダンス・プロジェクトとして最初にリリースされた作品。サイドAはニコラ・コンテのシネジャズ風ボッサの未発表曲「Nefertiti」。サイドBはGerardo Frisinaのアフロ・ハードバップとでも形容したいフリーダム・ジャズダンス・チューン。今回は省略するがGerardo Frisinaはスケマから05年にダブルアルバム「THE LATIN KICK」(SCLP395)や、06年に「TOKYO'S DREAM」(SCEP420)、04年に「Blends SABU MARTINEZ & SAHIB SHIHAB」(SCEP381)などの12インチシングルを発表している。

FREEDOM JAZZ DANCE
●FREEDOM JAZZ DANCE BOOK II(SCLP402)
●FREEDOM JAZZ DANCE BOOK III(SCLP416)
2005-06年にかけて発表されたフリーダム・ジャズ・ダンス・プロジェクトとしての2枚組コンパイル・アルバム。ここにはリッキーチックのユッカ・エスコラやダリンデオ、ティモ・ラッシー、それにケニー・クラーク+フランシス・ボーランド・セクステットなど19曲が収録されている。2004年を境にスケマのブレークン’ボッサからフリーダム・ジャズ・ダンスへのレーベルコンセプト変容の全貌がここにみてとれる。nu jazzからハードバップへ、それはクラブジャズと本来のジャズシーンとのバリアさえも無くなくなろうとしているこのフリーダムな時代の、世界のいたるところで起こっている生命潮流のなせる自然な流れで、もう誰も止めることはできないのだ。

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Comment (2)

ファブリツィオとユッカはヨーロッパの若手でnu jazz的なフィールドにも立てるラッパとして実力的に素晴らしいのは疑う余地のないところです。が、それは、現段階ではニコラやテッポ.マッキネンと言ったブレーンあってのことではないかと思われます。彼等自身の自作の曲をやる、というよりは、セッションマン的な立ち位置、すなわち、そこにある譜面をこなす、というスタンスにあるように思われるからです。nu jazzをnu jazz足らしめているのは、ニコラやテッポやアンチのようなブレーンというか司令塔の存在だと思います。自分で曲も書いて、自分なりの世界を構築しているラッパということで考えると、ハードバップではないれども、Erik Truffazは凄いなぁと感じます。そんなことを考えつつ、自分はちゃんと書けるんだろうかと自問自答しています。

AGI Yuzuru:

司令塔の存在がnu jazzをnu jazzたらしめているというけれど、いくらプロデューサーやブレーンがそうしたコンセプトを打ち出し売り出しても、無理なものは無理だと思う。おいしい話としてクラブジャズやnu jazzといって、そうした手段を使ってクラブジャズ側に今後きっと多くのジャズミュージシャンが侵入してくるだろうけれど、そうしても、まずクラブジャズも聴いたことのないミュージシャンがそんなことしても成功しないし、ギャラリーはそうしたことを感覚的に見抜いてしまうんだ。ジャズミュージシャンがそれなりの曲を作り、感覚的にこの今の"ジャズ的なるもの"という時代の空気を分かっていてジャズの本質を突き、みてくれの身体そのものがジャズであり、プラス,ファッションセンスもそれなりにカッコ良ければ若いクラバーたちは支持するよ。簡単に言えばジャズミュージシャンの存在そのものがセクシーであることだよ。でも多くのジャズミュージシャンはクラブに来ている若いそうしたギャラリーやDJたちよりもカッコいい人は少ないし、レコードも聴いていないし、ジャズについて勉強していない。キミの言うように譜面さえあればよくって、誤解を恐れず言ってしまうけれど、彼らオリジナル曲作る才能あるの?創造のかけらもないのがジャズミュージシャンじゃないの?これって単にバンドマンじゃない?

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2007年04月25日 14:21に投稿されたエントリーのページです。

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