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What is reality of situation?

STONES THROW/YESTERDAYS NEW QUINTET+MADLIB
時代は急速に"ジャズ的なるもの"に無限に接近していく

YESTERDAYS NEW QUINTET/UNA ESTA EP(STONES THROW STH2040-1)
YESTERDAYS NEW QUINTET/ANGLES WITH OUT EDGES(STONES THROW STH2042)
YESTERDAYS NEW QUINTET/BOMB SHELTER EP(STONES THROW STH 7014)
YESTERDAYS NEW QUINTET BREAKESTRA MR DIBBS/WELDON(STONES THROW STH2055)

ところで80年代中期に最終的にノイズやスカム/スラッジという出口なしの袋小路に入り自滅してしまったロック、あるいは"ロック的なるもの"の先端は現在どこにあるのだろう。短絡的に言えばそれはヒップホップやアブストラクト、音響系と呼ばれる音楽のなかにあり、クラブミュージックと言えども80年代の終わりから90年代中期までの多くが"ロック的なるもの"を引きずりながら変遷していた。そうしたいきさつは長くなるのでいずれ徐々に別の機会で書くが、まずSTONE THROW/FAT BEATレーベルでのMAD LIB周辺での動向を押さえておくことをお薦めする。
BREAK-BOY(BBOY)がこうした音楽を聴きブレークダンスを踊っているのを想像できないが、ロックによって思考回路が湾曲しているフリークス頭には、"狂気解放"なる意味を持つ名前を名乗っているマッドリブの音楽が肌に合うだろう。彼はQUASIMOTO、MADVILLIANなどなど、そのつどサウンド・プロダクション名を変えているが、個人的には2001年に西海岸ロサンジェルスのSTONES THROW/FATBEATSからリリースされた
"YESTERDAY NEW QUINTET"名義で発表された12インチ"Presenting the Uniquely Exciting Jazz Soud of YESTERDAYS NEW QUINTET/Uno Esta"(STH2040-1)、7インチ"BombShelter EP"(STH7014)、ダブルアルバム"Angles Without Edges"(STH2042)などの数枚の作品や、

MADLIB/SHADES OF BLUE(BLUE NOTE 7 243-8-77987-1)
MADLIB/SHADES OF BLUE.MADLIB INVADES BLUE NOTE(BLUE NOTE 7 243 5 36447 1)

2003年にBLUENOTEからMADLIB名義で発表した12インチシングル"TRACKS FROM SHADES OF BLUE-MADLIB INVADES BLUE NOTE/Please Set Me at Ease*Hip Hop MIx"(BTE77987)、ダブルアルバム"SHADESOF BLUE/MADLIB"(BLUE NOTE7 243 5 36447 1)での音楽を最も支持している。彼の音楽にみられる美しいストリングスのフレーズ、打ち込みによるミニマルでダウンなツーステップ、ヒップホップ・ビートの音のカットアップ、サンプリングによるサウンドコラージュは、イギリスではモワックス・レーベルなどで90年代中期にすでに実験済みで彼が始めたわけではなく決して新しいものではない。それでは、こうした音楽がロックの現在形だとボクが言いきることの証明できる作品を最後に紹介しよう。前述したSTONES THROW/FATBEATSから2006年に発表されたALOE BLACCの"Shine Through"(STH2138)という作品からは、ロックと相似形のバロキシズムやリリシズムが聴こえてくる。

ALOE BLACC/SHINE THROUGH(STONES THROW STH2138)

いまでもロックこそ音楽だとキミが言うなら、アブストラクト・ヒップ・ホップ、ジャジー・ヒップ・ホップ、あるいはラップトップ・ミュージックでのシュールな音響系などを聴いていて当然なんだ。これらの音楽こそロック・ミュージックがこの20年という時間の経緯のなかで進化(?)し、変容した現在のリアルなスタイルなのだ。しかし、こうした音楽の、その彼方からすら"ジャズ的なるもの"が遠くから聴こえてくる。時代は急速に"ジャズ的なるもの"に、無限に接近していく。

起きたら携帯に留守電が入っていた。去年まで東芝EMIの宣伝部にいたS氏からの"あの野中規雄氏(現ソニー・ミュージックダイレクト代表取締役)が会長に就任した"という1本のメッセージだった。先日偶然梅田のターミナルでS氏とバッタり遭遇し、お茶したときに70年代後半から80年代初期までのレコード業界や音楽業界の華やかさ、楽しさについて触れ、みんなが自由奔放でバカなこともしていたが世間はそれを許してくれたほど時代そのものに包容/許容力があったことなど懐かしみ、当時EPIC SONYの洋楽担当ディレクターだった彼のことにまで話題が及んだものだから近況をいれておいてくれたのだろう。振り返れば、当時ロックミュージックに関わっていた人たちは、業界人をはじめいまでは考えられないほど有能な逸材が多く存在していた。彼以外にも評論家としてのボクの資質を誰よりも認めてくれ色々後ろ立てしてくれた現在のユニバーサル・ミュージック取締役会長の石坂敬一氏などなど。勝ち組街道をまっしぐらに歩むほどのエリートたちさえもロックという音楽をバックで支えていたのだ。彼らのようなジャパニーズ・ドリームを絵に描いたような成功ものがたりは、特別な例だろうけれど、それでもボクが編集発行していた雑誌"ロックマガジン"でさえも、京大医学部や、神戸大学、上智大学などのいまでは超エリートとよばれる10人ほどの学生達が常時スタッフとして翻訳や編集作業を手伝ってくれていた。あれから20数年が経ち、彼らはロックや音楽を生活の糧としてはいないが、精神科医、翻訳者、大学の助教授などなど、多くの人が社会的成功をおさめ、その地位を確立し活動している。しかしいま音楽に携わる若い人たちは、はたしてどうなんだろう。そんな逸材がこの世界にかかわっているのだろうか。ノンとまでは言わないが恐らく少数だろう。もはや頭のいいできる若者は、例え音楽を溺愛していようが、ITなどの一流企業に就職し、まず経済的豊かさを確保し、愛する人と幸せな家族を築き、波風のない穏やかな人生を歩むことを選択するだろう。それが、正解だと、ボクも思う。

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2007年04月08日 03:19に投稿されたエントリーのページです。

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