ボクの持っているoblique strategiesは、70年代の終わりにロンドンのメイダ・ヴェレのブライアン・イーノの自宅で、75年1月にエディションされた初版の500枚限定のなかの1箱をもらったもので、トランプ占いに似た黒いボックスケースです。これにはピーター・シュミットとブライアン・イーノのサインと、500枚のうちの298のナンバリングがされていて、時々取り出してはカードを引いて楽しんでいるのだが、人生なんて誤りや間違い、思い違いの連続で、だからこそ予測できないドラマチックな
謎に満ちた人生を楽しめるのだと、このカード遊びをくり返すたびに思う。かって音楽だって、そうだった。間違いや、errorから軌道修正するときに、常に運命的ななにかが始まる。だからボクは人生で起こる間違いそのものを楽しみ、決してそれから目を背けたり、逃げ出したりはしない。ボクにとってのoblique strategiesは、そんなことを意味する魔法の箱だ。
都市で暮らしていると、季節の変わり目を迎えると、いつも人も移ろい、去年まで顔を見せていた、あいつもどこかに消えてしまう。移動の季節。そしてまた新しい顔のあいつがボクの前に現れる。